2010年3月30日 朝〜


 桜巡りは我ら夫婦坂二輪旅の恒例行事、桜見ずしてツーリングシーズンは始まらないのである。とはいえ今回ソロツーリング。カミさんは行動を共にしない。どんなに誘っても。理由は寒いから。
 3月30日の朝、空気はキーンと冷えていた。朝刊には、御殿場で昨日20cmほどの積雪ありとの記事が載っていた。今日は日差しが強い。そんなものは融けて無くなっているわな、と一人出発。防寒フル装備で東名高速を西に向かう。










大田区の自宅から1時間弱、御殿場の近づくと、富士や周りの山々は真っ白、木々も雪化粧。

路肩に雪を残した御殿場を通過。寒い、なんてのは通り越し、首周りに刺す風が痛い。だから制限速度でちんたらと。

 天気快晴なれど、こんなに寒いとは思わなかった。弊社で2番目の防寒性能を持つPG-30グローブでも、指がかじかんできた。朝確認した静岡市内の最低気温が0度なので、御殿場あたりは間違いなく氷点下であろう。同じ静岡県、大井川の桜は咲いているのだろうか、満開なのだろうか、と不安になる。

 あまりにも風が冷たいのでゆっくり(制限速度)で走り、サービスエリアの熱い缶コーヒーで手を温めながらまったり飲んでいたら、大井川鉄道某駅到着予定時間があやしくなってきた。東名高速の残り50kmは、フクメンに気をつけながらドッカーンと走り、国道1号のバイパスを抜け、大井川沿いの県道を流す。



大井川沿いの県道64号を北上。満開の桜並木のなかを気持ちよく。


 ここで今回の旅の愛車を紹介しよう。そんなのいらないっ!と言われるだろうがちょっとだけ。
 スズキGSF1200、1995年に買った初期型の油冷エンジンは元気がいい。いまだに260km/hのメーターを使い切る(海外仕様のメーターに交換、エンジンはドノーマル)。とにかくスロットルを開けたくなるのだ。だからカミさんとの旅には向かない。ペースがぜんぜん合わなくなるのである。


大井川を対岸に渡ると桜並木が。その向こう側に一つ目の目的地、家山駅がある。


 バイクと鉄道第4弾なのだから、大井川鉄道のことも少し語らねばならない。そうでないとこのページから先、ガンガンと鉄道が登場するのに、皆様がついてゆけなくなると困るから。

※二輪旅なのになぜか鉄道マップ

 大井川鉄道は、JR東海道本線の金谷(かなや)駅を起点として千頭(せんず)駅までの39.5kmの本線と、千頭駅〜井川駅間25.5kmの支線、井川線(南アルプスあぷとライン)である。いわゆる私鉄なのだが、ちまたの私鉄とはひと味もふた味も異なる。
 本線には元・国鉄の蒸気機関車が5両あり、ほぼ毎日走っているのだ。しかも客車が昭和の香りぷんぷん漂う元国鉄木造旧型客車ときたもんだから、もうたまらない。
 また、旧型の電気機関車も蒸気機関車の補機(あとで説明しよう)として現役。もうひとつおまけに電車、これがまた近鉄・南海・京阪、各関西私鉄の特急として使われていたのを普通電車として動かしている。まあ国鉄・私鉄の過去の寄せ集め、といっては失礼だが、それが我ら“鉄人”(鉄道ファン)にとっては極楽な鉄道なのである。
 おっと、支線である魅力たっぷりの井川線も語りたいが、長くなるのでまたあとで。。。


午前11時半、桜満開の家山駅に到着。さ〜て、待つかな・・・。


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