数分の停車のうちに、木造旧型客車がホームにいた人々を飲み込み、電気機関車に後押しされて走り去っていった。おっと、なぜ電気機関車が最後尾にいるのかを説明しよう。
観光シーズンで乗客が多い場合の客車は7両。大井川鉄道の蒸気機関車は大型機ではなく、7両もの客車を引いて大井川をさかのぼることはできない。だから電気機関車のチカラが必要なのである。これを補機という。
私は何度か乗っている。数年前に乗った時は、このC-10型より少しパワーのあるC-11型が4両の客車を単機(蒸気機関車のみ)で引いていた。それでも上り坂では、もう停まるんじゃないかという速度まで落ち、動輪が空転しながらあえぎあえぎ頑張って走っていた。そんな姿が魅力なのだ。 |