2009年4月28日の夜

岩木山に陽が沈む。


 陽が暮れて、ホテルから再び城跡に向かう。外堀には行灯(電球)が灯され、桜の桃色が鮮やかに浮かび上がり幻想的な光景。
 東の城門から城内に入る。外堀の桜を目にしただけでも感激したが、その中はそうは簡単に活字では言い表せないほど美しい。やはり聞きしに勝る、日本一の天下の夜桜だぁ〜!










明治15年に植樹された日本最古のソメイヨシノ・・・美しい。







城と桜と三日月














ライトアップされた桜は、昼間に見る桜よりピンクが濃い。特にシダレザクラはド派手だ。その中に真っ白な天守閣が浮かぶ上がる。










カミさんへのサービスカット




すごいでしょっ、シダレザクラ群。







カメラ:キャノンEOS 5D レンズ:24〜105mm & 12〜24mm



 どうだっ! ってつもりでお見せしたが、帰宅後、パソコン開いて画像を確認したら反省しきりの結果(絞りや感度設定がアマイ)。私の写真技術なんてこんなものだわ。
 さて写真にはほとんど人が写ってないように見えるが、実はものすごく多くの人々が花見を楽しんでいる。そしてあちらこちらでパシャッ、パシッとコンパクトカメラのストロボの光り。私の場合は一眼デジカメでストロボ使わずの超スローシャッター(三脚使用)。だから他のストロボの光りが入ってしまうと失敗してしまう。仕方がないことだけど。
 シロートの私が言うのもなんだけど、ストロボの光りを使って夜桜を撮っても、綺麗な桃色は出ないだろう。かといってストロボを使わなければ間違いなくボケボケ。手ブレ補正機能が付いてたって夜では意味がない。もしあなたがコンパクトカメラで(一眼でも)綺麗な夜桜を撮りたいなら、ストロボを使わず三脚使用がお薦め。(タンクバッグに入るような小さな三脚、売ってるよ)

 夜桜に満足したあとは晩飯。飯といっても居酒屋だが。居酒屋といってもフツウの居酒屋ではないが。
 東北青森に来たなら、ぜひ聞いておきたい津軽三味線。それをライブで聞かせる居酒屋がこの弘前市内には4〜5軒ある。そのひとつが、杏(あんず)。



旨そうなメニューがずらり。なかには東京者には意味不明な品も。

 桜祭りとねぷた祭り期間中は4000〜8000円のコース料理となっている。メニューに並ぶ旨そうなのをごっそり注文したいところだがいたしかたない。店長いわく「祭り期間中はとても手に負えない」そうだ。
 私とカミさんでそれぞれ4000円と6000円のコースを頼んだ。料理が運ばれるうちにどちらがどれだか分からなくなったが、おそらく4000円でも酒のつまみとしては十分な量だ。(とはいえ、メニューの“天然岩ガキ”“天然ホヤ”を追加注文しているが)
 1時間ほど飲んで食ってほろ酔い加減でいると、三味線を持った4名が店に入ってきた。いよいよこれからライブ演奏だ。
 今夜は津軽三味線全日本競技大会A級優勝の肩書きを持つ若手第一人者の多田あつし氏と3名の女性演奏者である。






多田氏と夢弦会のメンバー












演奏中とその後では表情がずいぶんと違う。ソロ、ディオ、4連奏とそれどれ迫力あり。




多田あつし氏とカミさん。
 津軽三味線をライブで聴いたのは生まれて初めてであった。集音マイクなしのたった2〜3mの至近距離で聴くその音色、それは腹ではなく、脳、そして心に響くと表現したらよいのかもしれない。私はフォークギターを弾くが(カメラと同じでヘボ)、三味線がこんなにも大きな音を出すとは思わなかった。手元の早さも尋常ではない。もう圧倒された感じだ。
 演奏が終わり、脳裏に三味線の音色が残ったまま、また日本酒をたしなむ。
 「嗚呼、ニッポン人で良かったなあ・・・」



 念願だった弘前城跡の満開の桜を見て、津軽三味線まで聴いて、なんと濃い一日だったろうか。今日何キロだか分からないくらい歩いたが、そんな疲れも忘れてしまった。
 明日は午前9時発のフェリーで津軽海峡を渡って北海道に上陸予定。朝6時起床と早いので、これにて御免。。。

城内はどこもこんな感じで大騒ぎ。毎晩つづいているハズなのだが、しかし昼間からゴミが見当たらない。どこぞの都会の花見とは大違いだ。やはり100年もの歴史あるこの地の花見は、マナーも管理も立派である。 ・・・拍手


皆様へ : 弘前城跡の桜、日本一と書きましたが、「我が地も負けてはない!」 という桜がありましたらどうぞご連絡ください。巨木や風情ある一本桜でもよいです。毎年恒例の桜巡り、この先もまだまだ続けるつもりであります。(ご意見もどうぞ)
こちらからメールをお送りください >>
<< ツーリングメニューへ 第四話へ >>