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 昨日の雨と霧で、八幡平の山頂付近の景観をまったく見ることができなかったので、今日は予定のルートを変更、もういちど樹海ラインを走って、ぐるっと一周するようにアスピーテラインを下って東北道に向かうこととした。欲言えば、昨日走った同じ道を引き返し、日本一の湯量を誇る「玉川温泉」でひと風呂浸かって田沢湖に向かいたかったが、今日の昼から、平泉の中尊寺をじっくりと見学したかったのでそれはできまい。
 樹海ラインを上ってゆくと、見覚えのある数字が現れる。“318”、、、うわっ、こんなところでイヤなのが脳裏に浮かぶ。
樹海ラインは “県道318号線”であった。


不良っぽい(ぽいは要らんか)店長が粋な品を販売する、真面目なペアスロープの遊び心ある姉妹店。
こちらは “東京都道318号 環状七号線”
知らない人は寄り道を・・・ >> 318





その名のとおり樹海のなかを、松川温泉から秋田県との県境「見返峠」までの17.5km、標高差700mを駆け上る。


標高1500m近くになると、7月中旬だというのにまだ雪が残る。17.5km走って、すれ違った車は5〜6台、追い越したのはたったの1台。平日はそんなもの。


 樹海ラインを一気に駆け上がりたいところだが、峠直前の標高1400mに「藤七温泉」がある。ここは宿のすぐ前の山から噴出す豊富な源泉を持つ。泉質は単純硫黄泉で源泉温度は、なんと91℃。加水せずに外で温度調整してから湯船に掛け流しするそうだ。
 やはり平日の午前中とあってか立ち寄り入浴の先客は2人ほど。しかし5〜6もの湯船があるので、どこも貸切状態である。



1. 男湯の内風呂
2. 遠くに岩手山が望める露天風呂
3. 男女別の風呂とは宿の反対側にある混浴の半露天風呂
4. これぞ野天風呂
5. 湯の花もたくさん混ざっている
6. 野趣あふれる露天風呂群。左のスダレのかかった風呂だけが女性専用だが、すき間が粗く半見え。だれも入っていなかったが。(それも簡単に確認できる)
  

カミさんが手に持っているのは藤七名物 温玉。
藤七の湯は乳白色には違いないが、「松楓荘」の湯に比べると、やや薄みどりの混じった濁り乳白色といった感じだ。湯温は熱めなほうで(私にとっては)、いかにも身体に効きそうな藤七の湯、樹海ラインを通ったらぜひ立ち寄ってみたらいかがだろう。

樹海ラインの道路上から藤七温泉の全景を写す。露天風呂は丸見えである。


 ひと風呂浸かってポカポカと、身も心も、そして空もすっきりと晴れわたり、昨日の天候とは正反対のアスピーテラインを走る。東北随一と言われる山岳ワインディングロードだ。




黄色ラインをオーバーして撮ってるって? そんなヤボなこと・・・。


うおぉ〜、なんという景色だ!



眼下には秋田の樹海林、雲は水平に、そしてもの凄い勢いで迫ってくる。それにしても、この “真っ青”な空と雲のコントラストは美しい。




藤七の温玉登場!

絶景で食す“温泉玉子” 源泉近くの泥湯に浸かり真っ黒だが、殻を割れば真っ白。黄身はほど良い半熟で絶妙な塩味、1個70円也。八幡平の景色が美味さを増幅させる“温玉”、今までに食ったことがない最高の味。 




そしてアスピーテラインを東北自動車道方面に駆け下りる。


 私のライディングは、伊達正宗公ならぬ“独眼流走法”と言われている(勝手につけた)。ようするに片目をつぶってカメラのファインダーだけの視界で走っているわけだ。
 しかしこの走法には最大の欠点がある。ハンドルから両手を離しているので加速もできなければ、フロントブレーキも掛けられない。スピードコントロールはリヤブレーキのみ。
 こんなんだから案の定、アスピーテの長い下りでF650GSのリヤブレーキがフェードを起こす。上記スノーシェルター内の最後の写真は、近づいて撮ったのではなく、フェードのためにノーブレーキで、あわや追突の冷や汗カット。それでもこんなことを20年以上もやってると、そう易々とはやめられんのですわ。



 いかがでしたか、東北随一と言われるスーパー ワインディングロードの “樹海ライン”と “アスピーテライン”、そして八幡平の至福の温泉。
 よく行った信州のビーナスラインや志賀・草津道路も素晴らしいけど、やはり八幡平のほうが格上に思える。そしてまた、素朴であり、かつ豪快でもある温泉も。訪れる人も車も、さほど多くないのがまた良し。
 秋の紅葉時の八幡平は、さぞかし美しい眺めを見せてくれるだろう。ぜひ訪れたいものである。




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