文・写真 三橋 [ 2004年10月24日 ]


 みなさんが思う318ブランドのイメージは、きっと、こうだろう。
 >極めて不良っぽいデザイン
 >金属を多用している
 >日本製に固守しない
 >ペアスロープより安価 etc.
 しかしそのどれもが、いい意味でも、悪い意味でも期待を裏切ってしまうことになるだろう。
 では、ブランド318の企画コンセプトとは何か。その考え方を述べよう。

1.) 不良をイメージさせるデザインではなく、誰にでもほんの少しある、不良心をくすぐるライディングギア。
2.) 
金属等を使えば、見た目のインパクトはあるが、無用な素材は使わない。
3.) 
たくさん売ろうとするつもりはない。極めて少量生産の為、日本製が基本。ただし、国内で手に入らないモノは例外。
4.) 
量産の苦手なペアスロープ本体の製品よりも、なお少ない生産。そして、より高価な材質も惜しみなく使う。よって、安価な製品作りではない。一流の不良心を持つ者は、安物を愛用しない(これは、秋元氏と俺の個人的な考え方)。

 以上が、318ブランドのコンセプト。しかし、1.)の“不良をイメージさせるデザインではなく”には、社内でも異論がある。秋元氏が着たガンメタリックの318革ジャンは、不良のイメージしか考えられないというのだ。でも反論するなら、秋元氏は何を着ても不良イメージ、ヤツは根っからの不良だから、ノーマルではないのだから仕方ないのである。







 それでは、318にどのような製品アイテムを用意するかをご案内しよう。
1. 革ジャン
2. スプリングナイロンジャケット
3. ウインドブレーカー
4. サマーメッシュジャケット
5. グローブ
6. ブーツ
7. Tシャツ
8. その他、気が向いたら作るグッズ

 以上すべてがワンデザインのみ。多くの種類は作らない(作れないが正解か)。しかも、先に述べたように極少生産。ペアスロープ本体もかなり少ない生産量だが、その量の5分の一以下と思ってもらえれば、いかに少ないかが分かろう。
 そしてもうひとつ。これがいちばん伝えなければならない事だろうが、“ライディングギア”とは言うものの、機能を優先するものではない。防水やプロテクション機能を考慮すると、デザインに多くの制約があり、秋元氏も俺も本意ではない。全ては、“カッコイイなあ”が基本である。(ペアスロープ本体の製品とて、それに近い発想ではある)

 さて、今月は革ジャンとブーツ、そしてできたてのロゴマークを披露しよう。そのクオリティー、、、ペアスロープ本体の上をいっているかもしれない。


“トウキョウ ループ セブン” ・・・なんとカッコいい呼び方だろうか。
いわゆる環七通りなんだけどね。

T-318F ペアスロープF-88をややワイルドにアレンジし、ガンメタリックで仕上げたフライトジャケット系革ジャン。剛健なイメージではあるが、案外動きやすく、着心地は良い。他に似合うカラーは、ブラックとブラウン。価格未定の受注生産品である。 ストロング グフ(仮名) グフハーフブーツに似ているが、裁断型も異なるまったくの別物。2.2ミリの丈夫な厚手革にビブラムソールと、強い男を飾るにふさわしい硬派なブーツ。その作り、本家グフより各上。カラーはブラックとオイルドブラウン。


 今の時点では、まだその他の試作品は製作段階で、おそらく年内中には過半数の製品を披露できるだろう。
 しかし、全ての試作品が完成し、製品製作段階に入ったとしても、いったい、いつ、どこで販売するのかという重要なことは決まっていない。なんだか、けっこういいかげんなようで申し訳ないことだが。

 そんな中の10月中旬、ここ“あきもと”にイタリーからはるばるやって来たお客さんを連れて来た。スピーディー社の社長 ニコラ・ダラグラーナ氏と営業のシモーネ・フィン氏である。
 さて、秋元氏の紹介のしかたには迷ったが「この店のオーナー&新ブランド318の販売責任者&不良ライダー」と通訳してもらった。
 秋元氏の見てくれに一瞬とまどうニコラだが、318に興味を示す。そりゃあそうだろう、このキャラでいったいどういう製品が出来るのか、作ろうとしてる我々だってワクワクしているのだから。
 そしてニコラとのドンチャン騒ぎで夜は更ける。
 なお、翌日彼らと行った箱根の旅は、2004年11月15日発売のビッグマシン12月号で執筆しているのでご覧を。また、両社の製品ウンチク話を交え、ここ“あきもと”での一件も、2005年の弊社春カタログで取り上げたいと思う。




ご機嫌のニコラとシモーネ(ファーストネームで呼ばせてもらう)。このあと、日本対イタリーの壮絶な戦いが始まる。



秋元氏とスピーディー社長の、バランスのとれないツーショット。不良がえらそうにダーツの投げ方を教えているシーンである。

ここ“あきもと”には、
いろんな人たちが集まる。
なんだか異種格闘技戦みたいに。
写真はここに来たキックボクサー西川氏、
10月24日は試合があると聞いていたが、
さて結果はどうなったであろうか。
勝ったら、ビールを振舞おう。


第六話 おしまい。

[ 第七話は11月24日発信予定 ]
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