近年のデザイナーはパソコンでデザイン画を描いている。しかし私は今だに超アナログで、紙と鉛筆に頼っている情況。まあ、パソコンを使いこなせない事情もあるが、真っ白な紙を前にすると想像力が働くし、気持ちが高ぶる。
ある日、ニューモデルのデザイン画をいつものように鉛筆で描いていると、ひとつの困難にブチ当たった。安全性を高めるライディングウエアのプロテクション装着モデルの企画である。
私のような、ハードプロテクションだいっ嫌い人間が、納得して着れるウエアが作れるか、、、答えはノーに限りなく近い。
「多くのメーカーで販売してるのに、なぜペアスロープは出来ないの?」って聞こえてきそうだが、ただプロテクションが装着されているだけなら猿でも作れる。ほんとうに転倒時に機能するか、着心地はどうか、デザインがくずれないか等々、そして私のような者を納得させることが、なにより難しい。 |
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なんだかあまり気が乗らないので、休憩がてらに二輪誌をペラペラめくっていると、“ヒョウドウ”のレーシングスーツが目に留まった。
これだ、これ、この手しかない! もともとヒョウドウの技術は高く評価しているし、超高速のレースから得るプロテクションノウハウは弊社の比ではない。数年前に面識があるので、さっそく社長である兵頭氏に電話を掛ける。
「弊社と御社の技術で、最高のツーリングジャケットを作ろ〜う!」
そりゃあ唐突に電話して、同業者にとんでもないお願いしたものだからさぞかし戸惑ったであろう。しかし私の熱意の説明に、ついにはこころよく引き受けてくれた。(いや、強引な説得に渋々といったところかも)
そして数日後、浜松のヒョウドウ プロダクツに出向くことになる。東京から2日かけて。。。 |
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