2010年2月:京都初日


京都にCBがやって来た。


雪が積もった弊社前、5時30分。これから京都に向かって出発。




京都まで55kmの新名神高速道路。周りは雪景色。バイクは1台も走っておらず。
 2010年の正月明けから京都ロケの準備をしていた。いきなり行って撮影できるような場所ではないため、あらかじめ京都府警 各警察署に道路使用許可証を取ったり、敷地をちょっとお借りする建物のオーナーさんに承諾をいただいたり、、、と。そして2月、我ら4名のスタッフが京都に向かう。車で。
 早朝5時半、東京は雪景色。この時期、どこで雪が降るかわからないのがバイクで行く予定にできなかった理由。現実に降ってしまったわけだ。
 ありがたいことに、モデル役(運転手兼務)である松下ヨシナリの四駆ワンボックスはスタッドレスタイヤ装備で、筆者とカミさんを乗せて難なく出発。夜に現地集合の坂上カメラマンは雪が融けてからの単独走行。・・・1台の車で4人乗れば交通費が抑えられるのに、なぜ2台なのか。しかも平日なのでETC1000円日ではない。予算はきびしいのに・・・。
 松下号のハイエース、ディーゼルエンジン全開で京都まで2回の休憩、5時間半。到着したのはRSタイチ京都の大きなショップである。今回の京都ロケは、この店のスタッフの協力で可能となった。
 ここで“RSタイチ”と“ペアスロープ”がなぜ?と思われるだろう。取引関係でもないのに、と。それには深くて浅い?訳があるけれど、話が長くなるから後ほどぼちぼちと語ろう。



 RSタイチ京都には撮影車両が待っていた・・・CB1100。ホンダモーターサイクルジャパンさんの手配で、車両専用運搬トラックに積まれて遠路はるばる運ばれていたのである。

 京都ロケを計画したのは年末のこと。その時点で撮影に使いたいバイクはCB1100がいいなあ、と思っていた。きっと京都の古き良き風情にマッチするのではないかと。きっかけはCB1100のプロモーションビデオの衣装製作に関わったこと。
 しかしそのCB1100、春に発売予定というだけで、販売車両の仕様も決まってなければ、価格も不明、発表もまだ先の話、という段階。これを借りるのはそうとう無理な話だろうと思いつつも、九分九厘のダメモトでお願いをしてみたら……間も入れず「OK!」の回答で、まあびっくりしたのなんのって。
 ということでCBにナンバーは付いていないから公道を走れないわけで、ロケは「押して歩く」ことに。しかしホワイトカラーのこれ、市販仕様に限りなく近い車両で走行可能なCBは「唯一この1台だけ」なんて聞いてしまうと(その他はプロモション用でニュージーランドに)、「押して歩く」役はすべて筆者の担当となる。まあ、立ち転け100%厳禁!てやつでしょう。


RSタイチ京都の駐車場で初めてまたがる松下に自然に沸く笑顔、「これ、気持ちよさそうなバイクだね〜」。筆者もまたがってみる。ためしにセルを回す。エンジン掛かる。ギアをローに入れてみる。クラッチをはなしてみる・・・動いたぁ〜!って、乗っちゃいけなかったかな。でも動かないとワンボックスに載せるのやっかいでね。


売り場面積は弊社ペアスロープ店舗の20倍近くか。うらやましい・・・。



松下号に積むCB1100。ご覧のようにナンバーはない。
 ロケではさまざまな許可を得るために動いてもらったRSタイチ京都なのだから、少し触れてみよう。
 実は2010年3月20日から、このショップのみで販売するブランド“京ZIMBA(きょう じんば)”、その製作に弊社が関わっている。ではなぜそうなったかといえば、RSタイチの社長とは、かれこれ30年近く前(弊社創立前)からの飲み仲間で、まあ飲んだ席でのたわ言でそうなってしまったのだ。
 RSタイチにはもともと“ZIMBA”というブランドがある。京都で販売するなら、それに“京”をくっつけてしまえ、、、それはすべて純日本製、、、ならばウチで作るかい? ってわけで、酒の“勢い”があったのでしょうねえ・・・。まあどんな理由であれ、成功を祈る。(※誤解のないように追加すれば、弊社の企画の半分近くは酒の席で発想したものであり、しかしそれがいいかげんなものではないことはご理解いただけると確信してます)

 CB1100を松下号に載せて、京都の街を下見がてらに走りだす。坂上カメラマンとは合流していないが、好適地があれば、降ろして筆者カメラで撮ってみようという寸法だ。



京都を下見・・・夜は宴会。



 京都市内をぐるぐると夕方まで巡ったが、なんだか天気も怪しく、ポツリポツリと空から雨粒。これでは写真を撮ることはできず、早々にRSタイチ京都のある伏見(ふしみ)に戻り、坂上カメラマンと合流し、ビジネスホテルに車を置いて明日からの撮影打ち合わせを兼ねた決起集会。・・・もちろん酒ぬきではございませんが。
 京都伏見といえば、歴史、伝統ありの酒どころ。大小さまざまな蔵元がある。その中で“月の蔵人”は、ロケでお世話になる“月桂冠”の酒があるということで味見。これなくしては撮影もうまくゆかないので。
 店内は酒蔵を改造した雰囲気で、太く大きな柱が豪快。そこで飲む月桂冠の大吟醸(日本酒の最上級クラスと言えばいいかな)の酒ときたら、そりゃあもう、旨いのなんのって・・・。
 どさくさまぎれで松下とカメラマンも大吟醸の酒を注文して飲んでいる。ギャラが少ないから晩飯はご馳走すると言っておいたけど、100cc程度のグラス1杯で1300円もするのだよ。そんなにガバガバ飲まれちゃなあ・・・少しは予算も考えてちょうだいな。(人のことは言えない)


旨い酒で気持ちよく酔い、ヘラヘラの松下とヘロヘロ笑顔でホテルに戻る坂上カメラマン。

いよいよ明日から撮影である・・・。


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