[2008年4月15日]

 2008年最初の二輪旅は毎年恒例の桜巡りである。いつもならカミさんとの二人旅なのだが、今回は19歳の娘も同行。そして “走って、歌って、しゃべれる二輪ジャーナリスト 兼 イベントMC” & ちっとも更新しない当HP “夫婦坂革ジャン改革”担当・・・の松下とそのカミさん、も参加。
 ではなぜ松下が、といえば、先月(3月)、四国に讃岐うどん巡りをした。ようするに讃岐の安くて旨いうどんに対して、信州の蕎麦はどうなのよ、ってあまり間を置かず食ってみよう、ということなのだ。そして自分ばっかりいい想いするのではなく、カミさんも連れてきたと。
 まあ私は “桜巡りのついでに蕎麦” だが、松下の場合は “蕎麦巡りのついでに桜” が目的なのだろう。
 さてどんな旅になるのやら、、、。

我が家族はハーレースポーツスター1200(カミさん)、BMW R100R(俺)、ゼファー750(娘)。松下夫婦はBMW R1100SとCB400SF。
先頭に松下、女3人を間に最後尾が筆者。極端に飛ばさないけど、マッタリと走るわけではない。只今、釜めしで有名な横川を通過中。

トンネル内の写真は好んで撮る。でも暗いのでシャッター速度が遅く、動くな!と言っても無理がある。

長野県に入り、佐久ICを過ぎると雪をかぶった浅間山が現れる。

ちょい古のスポーツスターだが、エンジンをいじくっているので220km/hのメーターを振り切る。でも普通に走る高速走行でも手がシビレるし、尻が痛いしで、カミさんには不評。(最新型は快適なようです。遅いけど)

松下のBMW R1100S。免許証がグレーなので、最近はあまり飛ばさないが、こいつには要注意。只今、目標の上田市に接近中。


 武士ではないけど、腹が減っては戦ができぬ、で、上田城のすぐ近くに来たものの昼飯とする。当然のごとく蕎麦だ。一日二食、蕎麦のハシゴをする予定だから、昼前に1軒目といった寸法である。
 上田の駅近くにある“刀屋(かたなや)”という蕎麦屋、武士(もどき)の桜巡りの初めの飯には良い名だ。しかしここは有名店らしく、昼前にもかかわらず、すでに満席に近い。
二階の座敷に通され、さっそく御品書きを見ると、蕎麦には大、普、中、小とある。一般的には蕎麦の量は少ないので“大”(大盛)を頼むが、ハシゴをする予定なので、ざるそばの“普”(ふつう)とした。他の4人は全て“中”。松下、おまえも中かぁ。
 やがて隣りの客が大きな声で“大”を注文。すかさず店員さんは、「お客さん、大は1キロ弱あるけど、よろしいかな?」・・・だって。
 “大”が1キロ弱ってことは、“普”だって500グラムくらいあるってことかあ? 「よかった、中で」という松下と、「小にすればよかった」という女バイク乗りの声。昼飯時に大だの小だの下品じゃねえか、と思いつつ、不安な俺、、、。
蕎麦巡り1軒目は刀屋である。



大と小は分かるが、“普”と“中”の違いが意味不明。


革ジャン着たまま蕎麦食うかなあ、ふつう。。。

 最初にもりそば“中”がでてきた。その量は2人前弱といったところ。そしてたんまりとノリがのったもりそば“普”の登場である。・・・やばいかもしれない。私はそれほど大食いではない。ステーキ屋に行っても300グラムほどしか頼まないのに、それ以上の重さはある。でも残すのは失礼だから頑張って食う。
 さて問題の蕎麦の味だが、一生懸命食ったのでよく覚えていない。ただ言える事は、太くてコシが強い蕎麦。量が多いので、少々アゴが疲れたかな。・・・これじゃあ松下とあまり変わらなくてスマンです。
「なかなかやるねえ、刀屋」満足顔の松下。なお、昼時は並ぶ覚悟が必要。


 蕎麦の刀屋から、5分と走らず上田城跡に着く、、、のであるが、駐車場は満車で、次々に来る車を係員が700m先の別の駐車場へ誘導している。これはまいった。満腹状態で700m歩くのは辛いから、その辺にインチキして止めちゃおうかと思っていると、係員のオジさんが我らを手招きして、誘導してくれたところは、城跡のまん前の公園内。「バイクはここに止めていいよっ」 ・・・武士の情けなのか、ありがたいことだ。
 平日であっても、上田城の桜満開時はクルマでなんか来るもんじゃないね。バイクの特権だね。

バイクの臨時駐輪場。まん前である。






 上田城は、真田十勇士で有名な真田幸村(信繁)の親父が作った城。十勇士といえば、猿飛佐助や霧隠才蔵の忍者がこれまた有名である。しかし、“城”としては全国的な知名度は低い。それは城の“華”である天守閣がないことが原因であろう。もともとはあったのか、なかったのか、それもはっきりしていない。しかしこの城、戦略的な防御は一級品であった。のちに天下を治めた徳川家康の軍を二度までも撃退したのだから。
 さて歴史の話しはこのへんで終わりにしよう。そうでないと2007年のあの濃い歴史旅紀行と同じめにあってしまう。

 バイクを置いて30段くらいの階段を上がり、城内に入る。快晴の天気に満開の桜、やはりおおぜいの人が花見を楽しんでいる。ソメイヨシノやシダレ桜が豪快に咲いている。でも花見なら東京のあちらこちらにもたくさんあるじゃないか、と思う読者もいるだろう。それがイヤなんだねえ、東京の花見は。
 上野公園を例にとれば、ありゃあ、桜を楽しんでるよりも宴会ですな。それはそれで良いのかもしれないが、とにかくウルサイし酒臭いしゴミだらけだし、花に酔いしれるどころではない。一方、地方だって宴を開いてるグループも見かけるが、ジイさまバアさまの民謡だったりと、ほのぼのとしている。2006年に行った会津若松の鶴ヶ城の夜桜はまさにそのとおり、その歌声に聞き入ったものである。春歌(昔のシモネタの歌)もまじってたけどね。
何をしゃべってんだか、松下夫婦。


さすが信州。屋台にも蕎麦屋が。


シャッターマン:訪れる人のカメラで記念写真を撮ってくれる地元のボランティアである。なかなかの人気者、グッドアイデア。




 今日はポカポカ陽気。革ジャンで歩いていると暑くて脱いでしまいたいほどだ。
 松下がなにやら近寄って来た。やはり暑いのか、革ジャンから通気性の良い“麻”のジャケットに着替えている。この麻ジャケは、松下のある前祝にプレゼントしたものだ。せっかくだから写真を撮っておこうか。

桜と麻ジャケ:桜の時季に麻ジャケでのバイク走行はカゼをひくだろう。通気性が良いのだ。だからこの写真は季節感に無理がある。東京の気温ならば、鯉のぼりの後くらいだろうか。

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 上田城跡の桜をタップリと堪能した。そして私の胃のなかにはまだタップリと収まっている蕎麦がいる。やはり許容量オーバーぎみだったのか、まだ2軒目の蕎麦屋に行く気がまったくしない。
 上田市内から国道143号線を走り、松本市内に向かう。距離にして50数キロ、なんだ1時間だな、と思うも、先に進むとセンターラインはなくなり、デコボコの道。3桁国道なんてこんなのが多いが、交通量が極めて少ないのがなによりだ。

初めは快適な国道143号。

峠には狭いトンネルが。「対向車なんていないじゃん!信号無視していいかなあ?」の松下。しかし小さな看板には、二輪車は信号の指示を除くとの表示あり。

カミさん、娘、松下カミさんの順。松下は無情にもブッ飛んで先に行ってしまう。

 さて、今日つぎの桜巡りは、天守閣のある松本城だ。そして松本にはたくさんの魅力的な蕎麦屋がある。でもまだ無理かな、これは・・・。




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