2008年10月25日





 昨日、朝から晩まで降っていた雨も、今朝は陽が差している。ありがたいものだ。

 鳴子温泉ゆさやの玄関にはゲタがずらりと並んでいる。その端に我らブーツ。さぞビチャビチャなのだろう、と思いきや、つま先部分以外は乾いている。宿の番頭さんが乾燥室に入れておいてくれたのだった。昨夜、バイクにシートを掛けてくれたり、ブーツを乾かしてくれたりと、これが心づくしというものなのだろう。また機会があったら、ぜひこの宿に泊まらせていただこう。
 仲居さんの笑顔に見送られ、宿を出発する。今日は東北の旅、最終日となるのだ。



鳴子温泉の中心部で朝市が行われていた。ちょっと止めてプラプラと覗いてみる。


オバちゃんのセールストークに負けて温泉まんじゅうを購入。




ほかにも団子やらを買って撤収。


バッグを開けるたびに、2日前に買った梨“かおり”の、いいニオイが。
それにしてもカミさんがバッグにお土産を入れているその真後ろ、、、もしかしたら(しなくても)ストリップ、でしょうねえ。
かれこれ10年近く前だろうか。ツーリング仲間と伊豆の温泉でドンチャン騒ぎのあと、ゲタを鳴らして街へとくり出し、射的なんぞをやって、そんな劇場にみんなで入った。
・・・ありゃあ、コミックショーですな。いかがわしいと言われればそのとおりだけど、これ以上笑わせるな、頼む!、、、って感じであった。
 以上、ストリップ劇場の解説、おわり。


ここは伊達家の領地でしたな。

鳴子はコケシが名物。コケシ屋が多い街中を抜ける。


有名な鳴子峡はすぐそこ。




この向こう側の鳴子峡をチラリと見ながら。

 国道47号を東北自動車道とは反対の方角、西に向かって走る。鳴子の街を出て数分で、メジャーな紅葉観光地“鳴子峡”。そしてすぐに有料駐車場が。
 せっかく来たのだから鳴子峡でもじっくり見ておこうか、と思うが、駐車場の入り口はクルマが列を作っている。で、パス。大勢の人ごみの中に入ってまで見る気は起きない。それに、国道上からチラッと見た限りでは、まだ紅葉は1週間ほど早いようで、それほど綺麗な様子ではなかったから。
 我らバイクは西に進み、国道13号にぶつかってそれに乗り換え、本州東北のど真ん中を南下する。

広い国道13号を山形市方面に向かう


 東北の交通の流れは、のんびりしていると思い込んでいた。5日前までは。しかし山形・秋田・青森と、どの県もそのクルマの流れは速い。
 山形・米沢を経由して福島市に至る国道13号、なんだこの道は、高速か? なんで80〜100km/hでみんな走ってるんだ? まあゆっくり走られてイライラするより、ずっとマシではあるが、ネズミ捕り野郎や覆面レスラーはいなのか?この地域は。。。

 山形市街地を避けるため、東北中央自動車道なる高速インターに向かう。その道沿いはリンゴ畑。一瞬、青森県か、と思わせるも、ここは山形県。リンゴ=青森or長野という先入観は強い。ちょっと道端に止めて、赤く染まったリンゴとのクサ〜イ写真を撮って、高速道に入る。


“Wとリンゴとトンビ”


東北中央自動車道。遠くに蔵王の山並みが。

 国道13号と平行に走る東北中央自動車道。13号をそのまま走ってもそれほど混んではいないのだから、地元の人々はわざわざカネを払ってまで高速を使わんのだろう。やはり前も後ろもクルマの姿なくスカスカ。関東の者から見れば、東北は一般道でもクルマの流れは速く、渋滞と言えるものは無いに等しい。なのになぜ交通量の期待できないような高速道路をどんどん作るんでしょうかねえ。もう、走るたびに繰り返し思うわけですわ。

 2007年のツーリングマップルでは終点のはずのインターで高速を降り(その先も開通していた)、この旅最後のワインディング、蔵王エコーラインに入る。紅葉、ちょっとは期待しているが、、、。






山形県側からの上り始めは、わずかな紅葉。


紅葉と言えば、そう思えなくもないが。


やがて視界は開ける。


峠付近が宮城県との県境。



宮城県に入ると、ヘアピン連続のずっと下り坂。


車間距離1m。


車間距離50cm。カミさん、アウトにふくらんだら、俺、ガードレールに突っ込むんだろうなあ。。。


標高が下がれば、ちらほらと紅葉。




なお下ると、ミ・ド・リ〜。



 蔵王エコーラインの紅葉はショボかった。。。

 東北自動車道 白石インターに入る。もうあとは99%ず〜っと高速を走り帰宅となる(高速とは名ばかりの首都高速を含む)。おっと、腹が減ってきた。この旅最後の昼飯は国見サービスエリアだ。宮城県と福島県の県境(福島県側)にあるそれは、なかなか雰囲気ある悪くないサービスエリアである。



[ 国見サービスエリア ]
峠ラーメン:特別旨いわけではないが、安心して食べられる普通に旨い味。(なんだかひどいコメントですな) 
でも850円は少々高めなので10段階評価は[ ★6個 ]



 さて、いかがだったでしょうか、我ら5日間、秋の東北の旅。特にお薦めの道路を振り返ってご案内しよう。

鳥海山ブルーライン:海抜0mに近いところから、一気に1100mまで駆け上る、快適・痛快・絶景道路。まちがいなく、東北お薦めベスト3以内に入るでしょうねえ。ほんとにいい。
大間越街道:寂しくも旅情豊かな海岸線、それに沿って走る。夕陽も絶景。加えてJR五能線の列車と寄り添って走れば最高!。
八甲田 国道103号線&十和田湖周遊道路:100km近くの距離をほとんど紅葉の中を走る。もし真っ青な快晴だったなら、どれほど感動しただろうか。
八幡平 国道341号:山が燃えてるような紅葉とはここのこと。極上の温泉も豊富にあり、何度でも訪ねたい。
国道108号:鳴子温泉近くの鳴子峡があまりにも有名だが、いやいや、私はこの道路沿いの紅葉のほうが好きです。

 ついでに温泉もひとこと。蔦温泉と鳴子温泉は甲乙つけがたい。蔦温泉は1軒宿。対して鳴子温泉は数10軒の宿があり、そのなかの1軒の“ゆさや”しか語れないが、う〜ん、、、どちらも素晴らしいのです。




 5日間で1980km走った。試作品のブーツとともに。
 毎日8時間も、バイクに乗って操作し、歩いたり走ったり(転けたり)の連続5日間。これはいいブーツが出来たものだ、と我ながら感心するも、同時に欠点も分かる。それを次の試作品に生かすのがこの旅の最大の目的である・・・過酷な仕事なのです。
 あれっ?仕事なら紅葉は必要ないんじゃない?温泉に浸からなくてもいいんでないの?東北まで行かなくても関東平野を毎日ウロウロ走ってれば?・・・な〜んて周りからは言われもする。
 でもしかし、、、そ〜んなクソ真面目な試作テストなんてするくらいなら、新製品なんて企画しませんよっ!って。それに弊社の靴は趣味(道楽)目的であって、ビジネスシューズではないのだから。
 言い訳はそのくらいにしてこの紀行文もおしまいとしましょう。では皆さん、御機嫌よう。。。


5日間のバイク旅で、ブーツに付いたチェンジ痕。アイボリーカラーはどうしても目立ってしまう。これを嫌うか、バイク乗りの勲章と思うか、さていかに。もちろん私らは勲章と考えますがねえ。(のちにクリーナーで少しはきれいにしてしまいましたけど)

[ 今回使用のブーツは来春(発売日未定)より販売予定です。]





[ご案内]
あつみ温泉 http://www.atsumi-spa.or.jp/
青森県深浦町 http://www.town.fukaura.aomori.jp/
蔦温泉旅館 http://www.thuta.co.jp/index_p.cgi
鳴子温泉 ゆさや http://www.yusaya.co.jp/

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