2006年12月18日 送信

 11月某日、それぞれアルバイト預金とローンで注文した、息子とダイスケのHYODレーシングスーツが完成した。これでヒョウドウ プロダクツ社の技術が間近で盗める。 いや、検証できる。 ・・・弊社は1円も使わずに。
 ほんとに偶然にも、その翌日にサーキット走行会があり、二人を連れて参加する。もちろん筆者も3年前に作ったRSAレザース社製スーツで走る。少しでも今回の“サーキットも走れるツーリングウエア”企画の参考にしたいから。



 ヒョウドウ社は2006年現在で、まだ2年少々の新しいブランドメーカーである。例外なく、たったそんな短い期間で一流のレーシングスーツは作れない。なのに弊社も一目置く技術を持っているのには訳があるのだ。
 実は、ブランドが新しいというだけで、革ツナギ製作工房は2007年で20周年を迎える。かれこれ20年間、コツコツと製作技術を積み重ねていたのである。
 逆に弊社は約20年間革ツナギを作っていないのだから、同じ品質のスーツなど、逆立ちしても作れるわけがない。(悪いけど、まだまだ革ジャン作りは負けないよッ) だから今回の企画のようにサーキットを走るための最高のノウハウをヒョウドウ社から、ツーリングのための究極のワザはペアスロープと融合させれば凄いのが出来るのではないか・・・ と思うのだ! 言葉では簡単に言えるけどね、、、。

左右のHYODスーツの真ん中に、同じく浜松のジェベット レザーハウス社製スーツを着てニタニタ笑うは、二人の兄貴分的存在の松下ヨシナリ。なお、それを撮っている筆者はRSAレザースのスーツ。・・・他社ばっかし、、、まったく“ペアスロープ”の宣伝にはなっていない。

 今までサーキットは何度も走っているが、走っている最中、スーツの腕や腰、足の動きがどうのこうのと考えたことなどないが、今回はそれらを検証した走りに頭を切り換える。また、革ジャン革パンでも初めてサーキットを走ってみる。いったいどう違うのだろうか。
 もちろん筆者だけでなく、今日、HYODレーシングスーツ初走行の息子、ダイスケにも走った感想を聞いてみる。
 「最高っスねえ、ウレシイっス、やっぱオーダーは気分いいっスねえ」(ダイスケ)
 「これはスゴくイイ!」(息子)
 ・・・想像はしてなかったわけではない。しかし、しかしお前ら大学生だろっ、ここの動きがあ〜だこ〜だの気の利いた言葉はないのかぁ? こんなショボいコメントで今企画モデルの参考になるかバカヤロ!
 おっと、取り乱してしまった。やはり1円も出してあげなかった筆者の失敗か。こんなことなら二人に500円くらい援助すればよかった。。。 




 そんなこんなでも、なんとなく企画イメージはつかめた。これは両社のノウハウを足して二で割った一つのウェアを、いきなり作るのは困難だ。レースにも参加できるMFJ公認目標スーツのHYOD製と、MFJ公認にとらわれないペアスロープ製と、二つのウェアに分けて作る方が現実的と判断。そして走行会の翌日、ヒョウドウプロダクツ兵頭氏に電話して、まずはHYOD社製モデルから先行してもらうことを話す。
 が、兵頭氏から出てきた言葉は 「じゃあデザインはお願いしますね、よく分かんないんで、、、」
 意外である。販売する可能性がないわけでもないHYOD社の製品を、他社にデザインさせてよいものだろうか。とは思うものの、私の場合、デザインすること自体が好きなので、深くは考えずそうさせてもらった。


右のラフデザインがHYOD工房製“HPD-318”

 “HYODモデル”ツーリングスーツは、MFJ公認を目的とする為、上下切り離せるツーピース仕様といえどもワンピースレーシングスーツとの機能性は近い。よって、デザインにしても数々の制約があり、思い描いたそのまま、という訳にはゆかない。
 HYODモデルなのだから、ヒョウドウ社の革を使うのが常識的なのだが、送ってもらったその革色見本帳を見て悩んでしまう。・・・そう、レーシングスーツ専用革なので原色が多い。弊社の持つ革の色合いとは正反対のような、とにかく派手な色合いがほとんどなのだ。

 さて、デザインや革の制約があるなかで、どうやってジェントリーなライディングウェアを作ることができるか???。 とりあえずの目標は、コンビニ、ファミレスに違和感なく入れるデザインである。(新幹線、飛行機は、かなり手ごわいですな)

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