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何が大事か
 柏氏のライディングスクールは、速く走れることを教えるものではない。「ヒザ擦り? そんなものは上手くなれば自然に擦るものですよっ。それに公道でやるもんじゃない」 そう、そのとおり。最近では、まともに曲がれないのにヒザ擦りをリクエストされることがあるという。速く走ることよりも、上手なテクニックを磨くこと、それが安全にもつながり、楽しくもなり、結果的には速くも走れることになる。まずは基本からということだ。
 しかし教習所をレベルアップするような内容ではない。むしろ教習所で教わった概念を捨てなければいけない部分もある。私事で恐縮だが、カミさんが大型教習に通っていた時のこと、公道で練習もできない(たぶん暴走行為とか安全運転義務違反とかで御用の)スラロームや、1本橋(渋滞すり抜けには役に立つが)よりも、もっともっとブレーキングに教習時間を増やすほうが、初心者の安全運転には貢献できるのではないかと思う。事故を回避するのもブレーキなら、ワインディングを速く走るのもブレーキなのだ。
 ブレーキングのことは、これ以上私がグダグダと言うまでもなく、柏氏は十分に熟知している。「誰にでもフルスロットルはできます。でもフルブレーキングのできる人は少ない。」午後の実技は、ブレーキングに多くの時間を費やすことになる。
柏校長とともにスタッフに加わる金氏。現役の全日本ロードレーサーである。


実技講習の前に準備運動を始める。


柏校長の掛け声とともに、身体を入念にほぐす。


おっと、真面目に体操しているではないか。(革ジャン、革パンは辛そうだが)




こちらの女性は、なんと四国からこのスクールを受けに、自走で来たそうな。(ジーンズとスニーカーでは、さぞ寒かっただろう)


まずはブレーキを使いながらの慣熟走行で、タイヤを温めるとともに、生徒個々のライディングフォームを柏氏がチェック。
スムーズなスロットルワークとブレーキングのライディングフォーム基礎編。

「あなたはねえ、ちょっと変なんだよねぇ・・・ハイ、前に出てきてください」

当然ながら秋元。「ハイみなさん、このハンドルの持ち方じゃあダメですねぇ」

「姿勢が悪い・・・」 (見てくれも悪い・・・と思っているに違いない)

「そおじゃなくてぇ、ガバッと開けて、グゥワッシと、こう、こうだからぁ・・・」 柏校長!もうそのくらいにしとかないと、、、キレたらマズイと思うのだが。(それはそれで面白い写真にはなる)

それにしても、なぜ柏校長は“318”の帽子をかぶっているのだろうか? (ちょっとわざとらしかったか)

女性にはやさしい。

「みなさん、ペアスロープの製品はほんとに良いですよ!」って、GWさんのウエアを着て宣伝してくれる校長。いまひとつ説得力が・・・。


基礎をなめてるかな
 とにかくライディングフォームの基礎からであっても、熱い柏氏の教えである。
 休憩の合間、秋元に感想を尋ねた。「うん、チョロイチョロイ。俺はもっとギンギンのカッコいいテクを教わらなきゃあ」 何を寝言こいてやがる。お前さんのショボさは私がよーく知ってるから「せいぜい恥かきなさんなよ!」と言っておいた。
 そして今日のスケジュールが、なるほど“ビギナー向け”といわれるのはここまで。このあとは「初心者でそれはきついんじゃあないですかぁ、柏さん?」という内容が待っている。
 しかしほんとうの初心者の人でも心配無用なのがこのスクール。18名の生徒の中には、確かに一見して初心者と分かるライダーはいるが、柏氏とともに、現役レーサーの金氏が別メニューで丁寧に教えてくれる。
 なんだか、“ライディング アート スクール”の宣伝みたいになってしまったが、感心したことは正直に述べておこう。


次は、“がんばれ、秋元!”


東海道線を走るおなじみのグリーンとオレンジの電車、この113系湘南電車も2005年を最後に、この地域から見納めとなる。その後は、温かみも、味も素っ気もないステンレス製電車ばかりが走る。さようなら“国鉄色”。

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