2012年8月21日

 昨晩のことだった、尾原に「トンボ撮り、いっしょに行くかぁ?」と聞いたら、「もちろん行くますわぁ」と答えた。しかしホンネはこうだろう、
 ・・・「トンボ撮りなんか興味ないんやけど、『行かない』なんて言ったら、オッサン、へそ曲げて『じゃあ取引停止だぁ!』なんて言いかねないしなあ。しょうがないから付き合ってあげるかなあ、、、四万十川の天然ウナギを食わしてくれるって言ってたし、、、」 とまあ心はこんな感じだと察する。べつに無理してついて来なくてもいいのになあ、雨男がぁ。
 さて今日の目的地は尾原邸からおよそ250キロ離れた高知県四万十市のトンボ自然公園。朝8時半に出て昼には現地到着の予定である。
 我がゼファーはカミさんとタンデム、そしてスズキのバンディット1200に乗る尾原、ともに出発。しかし尾原はすぐにガソリン補給を要求。やっぱりな、、、初めから行く気があったら、ガソリンくらい満タンにしておくわなあ。


元気な尾原っ子に見送られて、、、。


尾原邸のある屋島から、ものすご〜く操作性が良く、涼し〜い“鹿屋島メッシュグローブ”をして走る。あまり尾原をほめたくはないが、ほんとに優秀なグローブだ。(限定生産品)


尾原の店 兼 作業場の“屋島工房”に寄って最新の店舗写真でも撮ってやろうかと思ったが、めんどくさいからパス。(写真は1〜2年前のもの)




屋島を出てすぐの国道11号、尾原給油。

尾原号のほうが断然早い。


バンディット1200、尾原号。

“この先急カーブ”に嬉しくなるのはなぜだろう。

尾原号は寝かせ方がぜんぜん足りない(安全運転とも言うが)。それにしても、ニケツで運転の私がこんなふうに苦労して写真を撮るなら、カミさんが運転して私が後ろで撮ったほうが楽だ、とあとで気づく。

 ときおり尾原はスロットルをガバッと開ける。その加速に二人乗りの我がゼファーはついてゆけない。そもそも排気量もパワーもあるバンディット尾原号のほうををタンデムにしないとバランスがとれないのだが、尾原は後ろにど〜んとバッグを取り付けて、「タンデムはできまへん!」という態度をとっている。作戦か?。

油冷4気筒1200ccのバンディット。 空冷4気筒750ccのゼファー。



おっと、この私のパンチングブーツは何だ?
・・・真夏でも足が蒸れない快適なメッシュショートグフ試作品、現在テスト走行中。雨が降ったらズブ濡れだってぇ?、そりゃそうだけど、雨が止んで走っていれば、すぐ乾く優れもの。(2013年春発売予定、フライングぎみの新製品宣伝か。)


プロカメラマン登場。

坂上修造カメラマン(左)と涼しい麻ジャケを着ているカミさんと尾原。ちなみに私も麻ジャケである。なんかね、メッシュよりカジュアルっぽくて良いのだ。

 高松市内に実家のある坂上修造カメラマンが高松道のとあるパーキングにクルマでやってきた。聞けば里帰りの最中で、我らのトンボ撮り情報を知って「プロの腕前を見せてやるっ!」てな感じで同行する。
 坂上氏は二輪・四輪の走行撮影を得意とし、またストロボのマジシャンとも言われるプロカメラマンである。弊社カタログや当サイトの写真でも、その実力は分かろうというもの。しかしプロの意地ってやつでしょうな、私の“トンボ撮り”と勝負して、圧勝したいそうな。そういえば“ホタル撮り”勝負もやったし、昨年(2011年)も“トンボ撮り”勝負したっけ。そしてまた今年もだ。

 なおここからは私の写真と坂上氏の写真が混ざる。だから坂上氏提供の写真には“フォト:坂”と表示することにしよう。

(フォト:坂)
 さてこの先はクルマ同行だからタンデムの必要はない。で、昨日からどっぷりとバイクに浸かっている私はクルマ、ゼファーにはカミさんが乗る。腕を痛めているが短時間なら問題なかろう。
 助手席で坂上カメラマンが一眼カメラを構え、並走するバイク2台に身振り手振りで指示をだしている。クルマの中から得意の走行シーンを撮ろうって寸法だ。プロの写真を追加すると、サイトが引き締まりますなあ。。。

(フォト:坂)


讃岐独特の山々を向こうに快走するゼファー。(フォト:坂)

この旅でカミさんが愛用している小ぶりなBY-1バッグ、その2012年秋の新バージョンは、藍(あい)染め牛革にトンボ印伝の、これぞニッポンの伝統文化・・・素晴らしいデキである。




土佐へ・・・

 高松自動車道の次のサービスエリアでカミさんがクルマに移動、私がゼファーに乗る。そして川之江ジャンクション、続けて川之江東ジャンクションを経て、高知自動車道に入る。そのころには我らバイク2台の走行ペースと合わないのか、坂上カメラマン運転のクルマはバックミラーから消えていた。



雲がやや多くなってきた。

高知に近づくと空は厚い雲が。


高知自動車道はトンネルが多い。

トンネルを抜ければ高知はすぐそこ。


 なんだか空の色が怪しい。太平洋側の高知市に入る最後のトンネルを抜けた瞬間・・・・パチパチ、パチッとヘルメットのシールドを叩く雨。
 行く手前方、土佐の空は限りなくダークグレー、それを見た我ら2台はスロットルワイドオープン。小雨の中、数キロ先の南国パーキングに大急ぎで向かう。
 パーキングに着いた瞬間、バサァーっと猛烈な雨が降ってきた。2〜3分後に到着した坂上カメラマン&カミさんはクルマから外に出られず、ただ笑っているだけだ。


そんなにおかしいのか?


 それにしても四国の瀬戸内海側は青空だったのに、山を越えた太平洋側の土佐は雨、というより豪雨だ。やはり “雨男尾原” は健在なのである。なおこのパーキングから先、四万十市トンボ自然公園まで、私が撮る走行写真はない。カメラをクルマに非難させたから。。。





昼飯はもちろんカツオ。

 高知自動車道を現在終点の中土佐インターで降り、1キロほど国道56号を走った街中に“久礼大正市場”がある。市場といっても、ま、観光客向けといった感じだが、その中の食堂で昼飯とする。
 外は相変わらずの雨。というより市場の屋根に当たる雨音がすさまじく、会話が聞き取りにくいほどの豪雨である。

平日の雨とあって観光客はまばら。

うるめいわし、酒のツマミにしたいものだなあ。

塩ケンピ(芋の菓子)をみやげに買うカミさん。

久礼といえば、カツオ丼ですな。
土佐といえばカツオ。でも長崎沖って、、、?

プリプリのアジの刺身、安くて旨そう。

あらら、坂上カメラマンもみやげを買ってるし。

カツオ丼。左は別注のテンプラ?。


 お土産なんて帰りに買えばいいのではないか、道の駅とかで、とカミさんに言えば、「ここのほうが安いと思う」と塩ケンピやらカツオやらを買っていた。そして私の提案を聞かない坂上カメラマンも、である。この1時間後に、私の言葉が正しかったことが判明することも知らずに。

 さて久礼市場の食堂のカツオ丼の味は・・・カツオにとろろ芋がのっかり、醤油をかけてほうばる。カツオには少々うるさい私であるから厳しいことを言えば、アブラがのっていない小ぶりな安いカツオ。しかし味噌汁・たくわんがついて550円なら、まあ合格点だな。で、尾原にコメントを聞けば、「えっ、うまいっス!」・・・さぬきウドンにはめっぽう詳しいが、その他は気が利いた言葉など期待できないわけで。。。

 いつまで待っても雨が止みそうもないので出発。猛烈な雨の中、国道56号線を西に進む。
 すれ違うクルマのワイパーは最速で忙しく動いている。そんな状況下でも撥水スプレーをかけているヘルメットシールドからの視界は良く、速度を落とすことはない。そして後ろのクルマでは、我らバイク組の雨天走行を面白がって、坂上カメラマンが撮っている。

フォト:坂

 国道56号はワインディングあり、豪快な太平洋の海辺ありの魅力ある道路だが、この雨ではなんにも楽しめないったらありゃしない。
 目的地である四万十市トンボ自然公園まであと10キロ程度のところに“道の駅ビオスおおがた”があり小休止。そこでカミさんが目ざとく見つけた例の“塩ケンピ”、「あっ、同じのがここの方が安い!」と悔しがっている。道の駅をあなどってはいけないのだ。なお、この海沿いのここから、クジラが見える時もあると案内されているが、この雨の視界で見えるわけがない。

 出発してまもなく四万十市に入る。相変わらず雨足は強く、時おり対向車の水しぶきを豪快に浴びる。まあそれにしても性能の良いレインスーツだ。いったいどこのメーカーのものだろう。。。(左フォト:坂)










トンボ自然公園到着、だがしかし・・・。


 四万十市の中心街を横切り、四万十川の赤鉄橋を渡ってすぐ、トンボ自然公園に到着。ここにきて晴れ間が出てきた。
 さっそくカメラを望遠レンズに換えて園内に入ると・・・なんだこりゃあ、水びたしなのである。

園内、どこが川やら道路やら・・・。 (フォト:坂)

 まあそんな悪条件でも我らのトンボ撮りは始まった。その様子は次のページでご案内しよう。





夜もカツオ。



 トンボ自然公園からビジネスホテルに行き、そしてすぐ、まだ陽が落ちていない時刻にもかかわらず飲み屋に足を運ぶ。目指すは四万十の川の幸、そしてやはり土佐のカツオ料理である。







フォト:坂・・・ストロボ使用

 四万十市中心街にある料理屋に入り、さっそく生ビール、そして2種類のカツオのたたきを食う。川海老やらクジラやら塩たたきやら、う〜ん、なかなか良い味だ。しかしなんということか、この店には土佐名産の酒盗(しゅとう:カツオの内臓の塩辛)がない。それをツマミにした日本酒は旨いのだが、ないからには2軒目に移動する。










これらは筆者の写真:ストロボは使わず。

 2軒目は道路の反対側の居酒屋。この店にもカツオの塩たたきがあり、どちらが旨いかと意地悪な検証をする。結果は洋風な2軒目の居酒屋だった。しかしなんということか、ここにも酒盗がない。それががある店ってのは、あまり上品ではない店の方が確立は高いのかもしれない。まあ安価な“塩辛”といえばそうなのだから。



 今日は昼からカツオ、カツオ、カツオ、、、サザエさんもびっくりだ。で、明日の予定は、朝からトンボ撮りをして、昼はこれまた待ちに待った“四万十川の天然ウナギ”を食おうって寸法だ。今年は我ら4名全員“うな重”なるものを食っていないのだから、おおいに楽しみである。(ウナギの値上がりは、それこそウナギ登りだ。近い将来、うな重が1万円になるのではないか、とうわさされている。その前に、天然ウナギを、、、。)


それほど遅い時間ではないが、フラフラと歩いてホテルに戻り、就寝。


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