[2011年4月11日]



 あの“イカレたナマコ”程度では腹を壊さず、尾原家を出発準備。尾原の分身たちも、小学校・保育園へと元気に向かって行った。

 私が車庫のバイクに向かうと、ツーリングスタイルの尾原が家から出てきた。「あなた、どこ行くの?」と、夫人に問われた尾原、「いっしょに桜巡りに行くんや」。「聞いてないわよ? 仕事は?」「俺も聞いてね〜よ、ついてくるって」、「俺は行っちゃあいかんのですかぁ?」・・・結局、尾原も仕事さぼって同行。
 今日の予定は、同じ香川県の三豊(みとよ)市にある、瀬戸内海に突き出た半島の桜巡り。そして本州に渡り、岡山県津山にでも泊まろうかと。ま、昼くらいまでは尾原といっしょ、また野郎二人だけでの桜巡りとなるわけだ。なんかこの〜ビミョーですな。


先週もここ走って、同じような写真を撮ったかな。

今ごろ気づいたが、四国は交通量が少ない。


山の斜面の美しい桜。これもなかなかよい。

半島にある、のどかな漁港に到着。

波の音も聞こえない、静かな瀬戸内海の入り江。

半島を時計回りに走る。


“地ダコ たこめし”・・・食いたかったが準備中。

半島にある紫雲出山(しうでやま)に登る。


山頂辺り。瀬戸内海はガスっているが、素晴らしい眺めである。




大きく出たもんだ。

 桜巡りの目的地は、この庄内半島の紫雲出山(しうでやま:標高352m)にある。それにしても読みにくい妙な名は、“浦島太郎”伝説からだと聞く・・・あの青年が玉手箱を開けたら、紫の煙が雲となって山にかかった・・・だから紫雲出山なんだと。

吉野山紀行は当サイト2007年4月の"男奈良 前編”で送信中。あとで比較を。
 浦島太郎伝説の地は、全国に十数ヶ所あるというが、かつてはこの半島と小島を“浦島”と呼んでいたり、“生里”(太郎の生誕地)、“糸の越”(太郎が釣り糸を持って通った道)、“箱”(玉手箱を開けた所)、そして“紫雲出山”など、その地名が現在もあることから、ここは本命かもしれない。しかし青年がカメに乗って海底に行き、お土産の箱を開けたらジジイになった・・・なんてのはあまりにも架空に過ぎないので、昔この地に、よほどの演出家がいたのだろう、と、その意味で本命なのだと私は思う。

 さて伝説とは異なる本命、この山の桜を拝見しようじゃないか。
 バイクを駐車場に置いて歩くと “ライバルは・・・” の碑が立っている。尾原と顔を見合わせ「ここまで言うかぁ? 奈良の吉野山の桜と勝負ってか?」「いやぁ、たぶん向こうさんは相手にしてまへんがな」「あっちは全国区、知名度ちがいすぎだよなあ、知ってたか?紫雲出山」「知らんかった」・・・そんなことを話しながら、山の小道を登る。ではご覧を。しかし結論を先に述べると、「おみごと!」

























 紫雲出山の桜はこれ以上にないくらい満開状態で咲いていた。なんといっても瀬戸内海と桜のツーショットは美しいのだ。吉野山との比較はコメントしようがないが、「ライバルは・・・」と言っても、まんざらのハッタリではない。そう感じた。



昼メシは、やはりウドンですな。


紫雲出山を下る。


半島の東側を快走。

尾原が調べた松井うどん。いったい何が「びっくり」なのだろうか。

私はかけうどんの中(2玉:300円)にテンプラチョイス。
尾原はカレーうどんの小(580円)。

 尾原は最近カレーうどんに凝っているようだ。昨晩の居酒屋のあとも「カレーうどん、食いに行きましょかぁ?」と催促していた(満腹で行かなかったが)。
 私のかけうどんはフツーの味だ。では、目の前のいい匂いのするカレーうどんは?と、尾原のをちょっと食うと、旨いっ!。セルフ系讃岐うどんで500円超はかなり高価だが、旨ければよいのだ。
 店を出て尾原がポツリと言う。「時間帯があきまへん。残念ながら打ちたて・ゆでたてじゃあないですわぁ」そう言われてみればそんな気がするような、、、尾原のウドン吟味は厳しい(その他の食い物はいい加減)。さあ皆さん、旨い讃岐うどんを食いたければ、屋島工房に行って、店と時間帯を聞きましょう。かなり詳しいですぞ、うどんは・・・もちろんグローブも、だけど。
 ところで何が“びっくりうどん”だったのかな?


讃岐平野はなんかに似ている山が多い。


そろそろ尾原との別れか。

「たっしゃでなぁ〜」。尾原は高松方面、私は岡山方面へ。


4日前にも渡った瀬戸大橋。本州側は雲行きが怪しい。


ちょっと岡山駅に寄ったら・・・なんとそこにはカミさんがいた。


 カミさんは新幹線でやってきた。さてこの先はタンデムだ。こういうこともあろうかと、予備カメラにその他レンズが入るカメラバッグをリアシートに積んでこれなかったのだ。(もうお忘れと思うが、第一話で述べている)




<< お品書きへ 第十二話へ >>