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 こうしてみると明治維新後も、江戸期同様に皮革製品は権力や財力、そしてステイタスの象徴でもあったんだね。現代は皮革製品をまったく使ったことがないという人はいないと思われるほどに皮革文化が浸透している。しかし、国産の皮革製品はどちらかといえば斜陽であるという。それは、圧倒的に価格の安い中国産などに押されている現状もあるが、それ以上に後継者不足が深刻だという。せっかく築き上げた皮革文化を途絶えさせてしまうことがないように、現在日本の皮革文化の背景にある先人たちの努力や技術にももっと注目したいと思う。国内の皮革文化ってのは、ヨーロッパなんかに比べれば歴史は浅いけれども、技術レベルではまったく劣るものではないし、むしろ先をいっているものもある。たとえば、豚革などは原皮の供給から加工までをすべて国内でまかない、さらに皮革製品の本場であるヨーロッパへ輸出もしており、高い信頼を得ているのだ。

 もう遠い昔に買ったローファーは、今も下駄箱にしまってある。ただ単に、あんまり履いていないって理由もあるけれど、今でも十分に艶のある黒い革のままである。まったく浅草の靴は良い……と、しておこう。
 それにしても、なぜ浅草なんだ? とか、江戸時代の革は今の革と同じなのか? とか、靴ばっかりなのか? とか数々の疑問もあることだろう。それは、追々詳しく、ということでご勘弁いただきたい。それぞれの話の奥が深すぎて長くなってしまうからなぁ……。



いやぁ、浅草は楽しいぞ。子供の頃には退屈なお寺の街だと誤解していた田舎者の私だが、歳をとってみたら、やけに楽しい。このレポートでも、あと何回かお世話になりたい浅草なのである……さぁホッピー呑もうっ!!



男は2軒目! ここの鯨の竜田揚げが凄く旨いんだ。早く行かないと鯨料理売れ切れちゃうけどね。“たけし”の歌にも出てくる煮込みも絶品!

  ♪ お前と会った仲見世の
     煮込みしかないくじら屋で
      夢を語ったチューハイの
       泡にはじけた約束は・・・ ♪
“浅草キッド” 作詞・作曲:ビートたけし



こだわりません、勝つまでは!・・・またお会いしましょう。

いしの てつや



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