P-1 2007年7月24日


 7月下旬、気がつけば社内で俺ひとり、まだ今月は休みをとっていない。でもそんなのは日常なわけで、毎週のように休みをとれる月などほとんどないのが現状。
 こう書いてしまうと、よほどの働き者のように思われるが、いつも遊びのことばかり考え、仕事の効率が悪いから人より多く働かなくてはならないわけで、どちらかと言えばナマケモノの部類である。
 そんな日々のなかでも、突然、ポカリとスケジュールの空く時もある。これがチャンスとばかりに、夜、ツーリングマップルと睨めっこ。天気予報を確認し、目的地を見極める。おっと、ひとりじゃつまらないから無理矢理カミさんを誘い、ついでに大学生の次女も誘う。
 ・・・“信玄の隠し湯”ってのは美人育成の温泉だってな、、、女はこういうのに弱い。

 翌7月24日の午前中に宿を手配。平日なんてその日予約でも十分に泊まれる。そして昼ちょうど、カワサキのゼファー、W650、ハーレースポーツスターの3台は甲州に向けて遅めの旅立ちである。


 中央高速。ヒマだったのでパチリッ。



 今夜の宿は、山梨県の川浦温泉とした。東京大田区から中央高速を使って一直線に向かえば2時間程度の距離。昼の出発といえども早く着きすぎるので、中央高速を八王子インターで降り、奥多摩に向かう。
 奥多摩湖に出る奥多摩周遊道路は、その昔、有料道路だった。ここを走るのは30年ぶりのことになる。
 1970年代後半、年に何度か走りに来ていた。箱根に5〜6回、奥多摩は2〜3回といったところか。その頃の走りは、皆が皆、フルスロットル、フルブレーキ、フルバンク、これ基本。当然ながら事故が絶えず、その後何年も二輪通行禁止となった(ような気がする)。当時、カーブを曲がりきれず、対向車のフロントガラスを突き破った友人、病院に見舞いに行ったらバラバラになった足の骨のレントゲン写真を医者に見せつけられたことを思い出す。そのときばかりは、「う〜ん、暴走行為はしちゃいかん!」と思うも、次の週には箱根でぶっ飛ばしていた。
 各地の道路が二輪通行禁止となったのは、きっと俺達の年代のアホどもが原因であろう。スマンです。



料金所。その昔、朝6時だったか、開門時間には多くのバイクが集まっていた。現在は無料。


娘はちゃんと曲がれるだろうかとカメラのレンズ越しに眺めていたら、俺のブーツをかすめたセンターライン上のポール。非常に目障りで走り辛い。


娘を先頭にするとカミさんのペースより速い。まだ怖いもの知らずってところか。


標高1100mほどの周遊道路パーキング。さすがに涼しい。

奥多摩湖。こんな山の中でも東京都である。


周遊道路の下り。S字カーブの連続、これがおもしろいのだ。(飛ばせば)


奥多摩湖上の橋を渡り、左に。多摩川の源流へと山深く入る。


周遊道路終点から数分で山梨県。東京都との見分けはつかない山あいだが。




 昔ほどではないが、平日であっても奥多摩周遊道路にバイクは多く、すれちがうのはクルマの数倍と頼もしいかぎり。だが制限速度は40km/h(2006年までは、なんと30km/h。そんな速度で走る人、いたのだろうか)、その上、ネズミ捕りも多いらしい。この夏に革ツナギ着たツーサイクルバイクの兄ちゃんたち、どうか事故のないように祈る。

 我ら3台は山梨県に入り、多摩川の最上流へと突き進む。東京大田区を流れる多摩川は100m以上の川幅だが、このあたり源流付近の川幅は、ポンッと飛び越えられるほどの狭さである。
 川に沿って国道411号を甲府盆地へと向かう。八王子あたりの気温は30度だったが、道路上の気温計は22度を表示。ハーフメッシュジャケットでも肌寒い。
 昔はセンターラインのない狭い国道だったが、今はその倍の広さで軽快に登ってゆくと柳沢峠。よくここの茶屋でソバをすすったものだ。



標高 1472m。涼しいというよりも肌寒い。


いまだに健在、峠の茶屋。



柳沢峠では、富士山が顔を出す。でもこれ、望遠レンズなので実際にはこれほど大きく見えないが。


ヘアピンカーブ連続の峠の下り。スポーツスターに乗り換えたカミさん、苦戦。(どのバイクでも下りは苦手のカミさんだが)


やがて道路は一変して広く、走りやすい。30年ぶりだと、ずいぶん変わるものだ。


狭い!センターラインをはみ出して来る大型ダンプには要注意。


高速コーナー。走りやすいのは分かるが、ここで転けるとダメージ大きいのだ。




 柳沢峠から10数分下ると視界が広がり、甲府盆地に入ってきたことが分かる。と同時にものすごく暑い。そりゃそうだろう。峠の標高は1472m、塩山市街はおよそ500m、1000mちかくをいっきに下るのだから、気温は急上昇、気圧の変化でキーンと耳鳴り。
 モモ畑のなかを川浦温泉目指して走る。それにしても露店に並ぶ熟したモモ、旨そうだ。

 宿まで、あと数キロか、、、。




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