2007年10月22日


 この旅に出る半月ほど前、新潟から弊社店舗にダチがやって来た。手土産に笹団子を持って。
 歳が半分にも満たない彼は、高校卒業まで新潟市内で育っていた。そこでちょっと質問、新潟県の英雄は?
 「え〜と、まず田中角栄でしょ、次に田中真紀子、それと〜、あっ、山本五十六!」
 田中角栄は分からんでもない。次にその娘というよりね、なんで上杉謙信が出てこないのかな、謙信が考案されたと伝えられる“笹団子”を持ってきているのに。
 「いやぁ〜、謙信って昔の人でしょっ、古いっスよ」

 謙信が昔の人にはちがいないが、太平洋戦争中の大日本帝国連合艦隊司令長官 “山本五十六”だって、ちょいと昔ではないか。まあ、山本56って言わなかっただけでも良しとするが。

関越トンネル入り口

なお、山本といえば、上杉謙信と戦った武田信玄の軍師(司令長官)は山本勘助。同じ司令長官のこっちの山本とあっちの山本は、三百数十年の開きはあるものの、なんか関係あるんじゃないのか、と調べたら、な、なんと山本五十六の山本家は山本勘助の弟の子孫だとされる。五十六は山本家を相続し血縁関係はないが、旧姓の高野家の先祖は真田幸村の兄の家臣(真田は武田信玄の家臣でもあった)。なんの因果か、“五十六”と“勘助”は近い関係にあった。


 私ならどんな順番になるって? 1番目はもちろん上杉謙信、次はジャイアント馬場、その次に三波春夫、だな。
 ちなみに私の生まれ故郷である東京出身の英雄は?と聞かれれば、誰ひとり頭に浮かばない。そんなもんだよ東京は。

 ・・・こんなことを思い出しながら、11kmもある長い長い関越トンネルを抜けようとしている。


はるか先まで誰も走っていない関越トンネル、ヒマな時間である。



 上杉謙信は、武田信玄との12年にもおよぶ川中島の戦いの十数年後、越後の国で没した。謙信には嫁もいなければ子もいない。生涯独身で過ごしたという。その後の上杉家の相続争いがすったもんだしたようだが、そんなことは今回の旅には関係ない。というより関わりたくない。前回の紀行“謙信動く”の戦国武将たっぷりの話、そうなることだけは避けておきたいから。ただ単純に謙信=越後というこじつけで留めておこう。

 関越トンネルを抜けるとスキー場、温泉で有名な越後湯沢。その緩やかな下り坂を快調に走るゼファーとW650、、、のはずだが、Wがバックミラーの視界から消えた。路肩に止めて振り返るとはるか遠くでWが止まっている。やがてこちらに向かって来て、カミさん怒鳴る。「予備タンになったし!」。
 予備タンは最低でも2リッターはあるだろうと走りだすも、次のSAまで49kmの標識、超スローペースの80km/hジャストの高燃費走行を実施する。とはいっても、この辺りの制限速度も80km/hだが。
 あとで調べたらWの予備タンは3リッターだったが、それにしても関越トンネル前後には100数キロもの間、高速道路上にガソリンスタンドはない。もし群馬県側で予備タンになっていたらガス欠になっていたろう。トンネルも長いが、SA間隔も長い。恐るべし関越自動車道!である。

 東京大田区の自宅からジャスト250kmの越後川口SAでガス補給。ついでに胃袋にも補給、オーソドックスにラーメンとしよう。
主にカミさんが乗るW650。寒がりなので旭風防を装着。



常にミラーは確認はしているが。




越後川口SAのラーメン。10段階評価で“3”といった味。まずくはないが、けっして旨くない。これから先、食い物には10段階評価をしてみよう。

ゼファー750とW650。2007年の旅はこの2台がもっとも多い。昭和の香り漂うが平成18・19年車と新しい。

 こういった旅紀行をHP公開すると、ちょくちょくと問い合わせがくる。おもに我々の使っているライディングギアである。しかしそのほとんどが試作品であることから、うまくご説明できていない。今回の旅、試作品も使っているが、たまには紹介しようかと。。。


C-50:ウェアは丈夫なコットン帆布と部分的に牛革を使った07年秋の新作。でもこれ男性用でSサイズを着ているのだが、女性でも案外似合うものだと初めて知った。
BY-1バッグ:07年11月から販売する最終サンプルを愛用。これも男性用として企画。ウエストバッグとしてもショルダーバッグとしても兼用の小型収納アイテム。
レザーパンツ:カラー、サイズオーダーによるワンオフ。こればかりは男性用サイズでは、ちょっとねえ、、、。
カラーはブラック・オリーブ・ブラウン:詳しくは >> 牛革+帆布製。ほかにも3種類あり:詳しくは >>

ショートグフ:唯一、女性サイズが有り。これ、かれこれ3年履いてる。まだまだずっと現役:詳しくは >>



 まあ、カミさんの装備はざっとこんなもんでしょう。ほかにもグローブは、馬ショート、牛革ハーフ、防寒グローブと、3タイプ持参。この時季ではハーフひとつで事足りるような気がするが、だから荷物が多くなるんだな。
 え、私のカッコですかぁ? 自分で自分のものを自慢するのは好きでないのでやめときましょう。というよりも、この時点では私の姿の写真がないのだから。

 新潟県の山間部から平野部に下りて来た。辺り一面が田んぼ、稲刈りは終わっている。長岡市を通り過ぎると関越自動車道から北陸自動車道に変わる。やがて上越新幹線が高速道路に寄り添うと燕三条の駅がすぐ隣りに。するとこちらは三条燕インターの標識。・・・なんだこりゃあ、隣りどうしでなぜ“燕三条”“三条燕”なんだ? どちらも燕市と三条市の境にあるからって、ややこしいではないかぁ!

高速道路隣りの新幹線駅 新幹線駅隣りのインター

 こういうことは気になってしかたがないので調べた。
◇新幹線の場合は、駅長室が三条市にあるので“燕三条”
◇高速道路は、インターチェンジが燕市にあるので“三条燕”。標識は三条と燕の字間は空いているが三条燕インターである。
 「職人の町“燕”」、「商人の町“三条”」、ともにライバル意識が強く、こんなややこしいことになったらしい。

ゼファーにコットンジャケット、バッグ、よく似合う。

 ということで、三条燕インターを降りてしまった。高速道路を300km近く走るのも飽きてしまったのでここから先、今日の宿、新潟県北部の村上市瀬波温泉まで田んぼ道でも走ろうかと。


 国道8号線は交通量が多く、県道にルート変更しようと“加茂市”方面に向かう。あっちこっちと曲がるうちに道に迷い、ふっと隣りの建物を見ると“チヨダシューズ(株)”の工場が。
 チヨダシューズ? 現存するブランドメーカーではないが、もしかしてこの工場は“リーガル コーポレーション”(REGALの靴といえばお分かりでしょう)の製造部門ではないか! 今、私が履いている試作ライディングブーツの、まさしく生まれ故郷ではないか! なんという偶然なのだろうか!

勝手に敷地内に入ったら、“REGAL”のブランド名を付けたリーガルコーポレーション社員の人(お名前は知らない)がニコニコと近寄り「いやぁ〜どうも」って。初対面なのになんで我らを知ってるのかな。


 偶然なんてありえねぇ〜! 申し訳ない、ほんとに申し訳ないことに上記10行文くらいは話を作ってしまった。でも、今履いている私のブーツは、この加茂の工場で作ったことは事実だ。そしてこの旅サイトで初めて公表する。・・・2007年で105年の歴史を刻むリーガル コーポレーションが、弊社の依頼で初のライディングブーツを作ろうとしていることを。




このブーツ企画は2006年の12月から始まり、いくつもの試作品を製作し、今に至っている。リーガルコーポレーションにはいくつもの製造工場があるなかで、なぜ弊社ブーツ企画がこの工場製なのかは、「素晴らしい技術を持つ」と風のうわさで聞いてしまったのだから仕方がない。
すでに5000kmは走っている01系第2サンプルの里帰り。
こちらは東京のリーガルコーポレーション本社。材料持っての打ち合わせは何度訪問しただろうか。

ど〜です、グッドイヤーウエルト製法のこの仕上がりの素晴らしさ!
左は里帰りの01系、右は02系。2007年10月時点で第3試作まで進んでいるが、この写真は第2試作品。それでもクオリティーの高さがご覧になれましょう。 え?、全体の写真を載せろって?、、、2008年春に発売の予定だから、しばらくお待ちを。


 高校時代から、リーガルのコインローファーにはずいぶんとお世話になった。あの頃、その作りのことなどわけ分からず、リーガルブランド以外の選択肢は頭になかった。あれから30数年、現在でも愛用している。
 そのリーガルコーポレーション製、しかも最高レベルの加茂工場製のブーツが弊社ラインナップに加わってもらえるとは、夢のようなことである。
 ・・・・・この話は、いつまでも終わりそうにない。それにそろそろ加茂の工場を出ないと、明るいうちに瀬波温泉にたどり着けない。いずれ近いうちに“究極のブーツ製作記”をこってりと発信するので、そちらに期待を。(たぶん価格等の問い合わせがくるでしょうが、詳細は2008年の正月以降でないと分かりません。ご了承を)



のんびりしていたら陽が傾いてきた。先を急ぐので日本海東北自動車道を。でもこれ高速道かぁ? 電灯もないから夜は真っ暗だろうな。そこらの県道と変わらん。



瀬波温泉近くの日本海の海岸。夕陽には間に合ったが、イマイチ、、、。




村上市の瀬波温泉 大観荘に到着。海に面したこの宿は2回目の宿泊。私が同じ宿に泊まるのはめったにないが、ここは信頼しているから。おっと、やはりツーリング直後のビールは格別に旨いやねえ。




すべてサカナ系の料理を選択。お膳にはさらに焼き物が加わる。で、味の10段階評価は“7”。シャケはさすがに旨かったが、赤貝とイカとタラバガニがちょっとね。そのぶんがマイナス。手厳しいのだ、夫婦坂は。

 大観荘は瀬波温泉のなかでも高級といわれる旅館だ。よって、泊まった部屋の休日前料金の場合は2万円を超える。
 だがしかし、平日の場合はさに有らず。ネット予約、なかでもネット直前予約などを駆使すれば1万円台前半から十分に泊まれる。我がバイク旅は、天候次第の直前決行だから、しかも平日だから、毎度どの旅館でもこういった恩恵に授かる。

 “秋の大収穫祭・新米コシヒカリ&秋鮭の醤油はらこプラン”なる料理を食った。村上といえば、今はシャケが旬である。でももうひとつ気になっていたもの、それは“村上牛”だ。シャケか和牛か、ずいぶんと迷ったが、明日は米沢泊。まちがいなく米沢牛を食うだろうと、ここ村上では旬であるシャケにしたのである。

 明日の午前中は、村上の街でもぶらついてみようか。。。

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