2006年8月12日

 案山子巡りを終えた昼前、東京からひと家族がやって来た。弊社カタログの制作を協力してもらっている“マウスワークス”という会社の社長家族だ。なんだか“ネズミのごとく働く”という意味だと思ったら、パソコンのマウスを動かす仕事・・・のようでまぎらわしい会社名である。
 その家族には5歳と3歳弱のガキ、いや失礼、お子さんもいる。普段世話になっているので、トンボやカエル、サワガニに魚獲り、といった、夏のガキ遊びを教えてあげよう、って寸法だ。



トンボ捕り
 近所のホームセンターに行って、虫カゴ、虫アミ、魚獲り一式を買い、まずはトンボ捕り。5歳坊やが孤軍奮闘トンボを追うが、何度やってもアミにはいることはない。東京の坊やに捕まるような軟弱なトンボではないのだ。
 そういえば、まだ5歳、3歳弱の坊や達、自分のことを「僕」ではなく「俺!」と言っている。弟はまだオシメをしているのに、なかなか勇ましい兄弟だ。そんな兄弟にトンボを捕ってあげたいが、大人が手伝っては教育にならんので、じっと我慢。


 しかし親バカはどこにでもいるもので、見るに見かねた兄弟のオヤジがアミを奪いとり、トンボを追う。親が捕ったんでは意味ねえんだよ!と思いつつ見るが、「へったくそー」なオヤジである。 筆者なんぞの虫捕りのプロは、15分もあれば、トンボの佃煮にするほど捕るもんだが。。。 (トンボは佃煮にしないが、この地方ではイナゴを捕り、佃煮にして食べる)
 
勇ましく歩くが、ちっとも捕まえられない長男坊やと、次男のアミで手伝う俺のカミさん。

 うじゃうじゃ飛んでる、捕まえやすい赤トンボごときで苦戦しているのだから、あのデカイ、美しいギンヤンマ(ブルーグリーン)、オニヤンマ(阪神タイガースカラー)はとても無理だ。 赤トンボで練習したあとにヤンマのいる場所に連れてってあげようとしたが、まあ、あせることはない、来年にしよう。(ヤンマは筆者のようなプロ級でも、なかなか手ごわい。噛みつかれると痛い。)
奮闘むなしく惨敗の“俺達”兄弟。



魚獲り
8月13日

 トンボ捕りのあとは魚獲りだ。この辺りの川、千曲川の支流には、どこにでも魚はいるが、俺達は涼しさを求めて、ちょっとだけ上流に向かう。
 
対向のツーリングバイクはライディングウエアをビシッときめているが、川に向かう我が娘のその姿、あまりにも軽装。それを撮っている筆者の姿は、Tシャツ、半ズボン、グローブ無しにサンダル・・・のGSF。
きっと「地元のバイク乗り親子」って思われてるんでしょうねえ、ライディングウエアメーカーだと知られたら最悪である!(※魚獲りに行くのだから仕方がないカッコなのだ:言い訳)



 川に多くいる魚は、機敏な“ハヤ”。それをアミですくおう、って、これだからシロウトは困る。金魚じゃないっつうの、私のようなプロ級でもアミでハヤをすくうなんて不可能に近い。川の水の中を高速で泳ぐ魚なのである。
 娘も手伝い、“マウス”親子は1時間ほど頑張るが、やはり結果は収穫なし。なんだか可愛そうなので、川の石をひっくり返してサワガニを捕って兄弟にプレゼントする。それでも魚を見たいと泣く坊や・・・仕方ない、プロの出番だ!。
唐揚げにして食えるが、たいして美味いわけではない。




 子供の頃、虫捕りも魚獲りもだれにも負けない自信があった。今も同じだ。そんじょそこいらの大人には負けない。ここで一発、坊や達に、マウスのオヤジにもプロの成せる魚獲りのワザを見せてあげよう。
 580円で買ってきた仕掛け網に78円の粉エサを水でほどよく練る。ここが第一のポイント。硬すぎてもやらかすぎても具合が悪く、職人ワザが必要。そして、第2のポイントは魚が通る道(魚道)を長年の勘(カン)を頼りに見つけ、そこに仕掛け網を沈める。あとは30分ほど少し離れて待つだけである。
GSFに乗ってる時も、魚獲りの時も、信州・佐久では同じカッコウ。(仕事とは気合いが違う筆者を娘が撮影)

ちょっと少ないが1回で8匹のハヤをゲット。通常3〜4回で晩飯のオカズ(唐揚げ)になるが、今日は8月13日のお盆を迎える日。生き物を食ってはいけないので、逃がしてあげる。
(この晩のカミさんの実家では、肉・魚類のオカズはいっさい無し・・・これ日本の伝統文化である)


しばらくは観賞用に魚をプレゼント。こぼれる笑顔の坊や、ヒーローの筆者。


 川のあちらこちらを見回すが、魚獲りをしているのは俺達だけである。それどころか、地元の子供達の姿が見えない。いったいどこで遊んでいるのだろうか。家で勉強してるのか、パソコンでゲームに熱中しているのか。いや、それじゃあイカン、ぜったいイカン! 大人も子供も、もっと自然と遊ばなくては、、、。




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