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 店を出発した瞬間に我が車はバイク組に先を越され、東名高速を一路西へ。しかし早くも海老名SAで小休止、今話題の吉野家の牛丼をほおばりまして・・・ついでといってはなんだが、この1月末時点、牛丼業界も大変だなあ、なんて思ってたら他人事ではない。例のアメリカBSE問題は、牛肉輸入停止だけでなく、規制にもBSEにも関係の無い牛革に影響が出始めた。弊社の革は北米産、まさに直撃、すでに一部の革の値上がりが始まったのである。革は肉の副産物、肉の消費が減れば、その分の革も減り、値も上がる(輸入流通会社等の便乗値上げではないかとも思える。根拠はないが。たぶん、きっと、恐らく?)。できるだけ早く牛丼が再開できるようでなくては、今後弊社革ジャンの価格にも多大な影響を受けることだろう・・・な〜んて、あまり深く考えても仕方が無いので、ビュ〜ンとかっ飛び南伊豆下田の外浦海岸の小さな港に到着。
 ちなみに、撮影場所は行き当たりばったりなので、どこで何を撮るかはまったく不明。計画性の無いツーリングと同じようなものである。


「南伊豆っても、ちっとも温ったかくないじゃん」。石野持参のスノボー用フル防寒仕様。   
  

「久山さ〜ん、魚がいるよっ」
「ちっさいでぇ、喰えへんやろ〜」
「いやぁ、日干しにして・・・」
いっこうに撮影する気配なし。


 さて、最初の撮影ポイントに着いたものの、うだうだと時間が過ぎるばかりなり。まわりの風景が気に入らないのか、寒さで気が乗らないのかは定かでないが、久山カメラマン以下は撮影準備にとりかかろうとしない。しかたがないので 「こらぁ〜、おめぇら遊びにきたんじゃねえんだぞぉ !!! 」 と、心の中で一喝し、「さあ、みなさ〜ん、手始めにワンカット撮っておきましょうね」 。

まず最初にえじきとなって、この寒さの中モデルとなるのは、やはり一番歳下のアシスタント古山。
「いいかぁ、夏の海に来てるんだからな、寒そうなポーズとるなよ。」 防寒ウエアを着て指導する石野ライターに、説得力は無い。

久山カメラマンが撮る直前、石野が叫ぶ。
「ちょっと待ったぁ!ペアスロープのカタログ撮影なのに、こいつアルパインのブーツ履いてるけど、こんなのアリ?」
「どこの社員や? アホくさ〜!」

しかたがないので、私のワークブーツを片足だけ交換する。監督不行届き、面目ない。

そして撮影開始。
「身体がカチカチや、もっとリラックスせなあかんで〜。。。背筋伸ばしすぎや! おい、寒そうにすんなっちゅうに! 」

「こりゃアカン、ボツやな・・・」



カタログでは、ほんとにボツになってしまったので、久山カメラマンが撮っていたであろうアングルを想像して、せんえつながら私のデジカメ写真でお届けしよう。ちなみにウエアは、ハーフメッシュの “SG-088 サマージャケット

 そうすんなりと撮影がうまくいくことはない。太陽はどの方向なのか、青空か、いい雲が出ているのか、そして周りの景色は・・・。 いろいろな条件がととのって初めて、納得の写真が撮れる。
 まあ、気を取り直して次のロケ地を探しに走ろう。



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