淡路サンセットライン


一日二輪旅のコーナーで、淡路島が登場するのは2回目になります。前回は2008年の「タコ三昧」というソロツーリングだったのですが、今回は「大人の社会見学ツーリング」。屋島工房のお客さんと、淡路島の勉強をしながら、食べて・遊んで・走り回る・・・という企画。総勢8名の楽しい旅になりました。



 屋島工房では、春夏秋冬、年四回のツーリングを企画しています。
 四季折々の美味しい物だとか、壮大な景色を探しに行こう・・・というのが時々のネタになるのですが、最も困るのが今回のような冬のツーリング。

 食べ物も少ない季節だし、何より厳しい気候と隣合わせなので、移動距離や行き場所が限られてしまいます。

 思案の末、思いついたのが淡路島。真冬でも凍結は無さそうだし。何よりも温暖な瀬戸内海に囲まれて、暖かそうじゃないですか。

 ただ淡路島をぐるりと一周するだけじゃ芸がないので、今回も「大人の社会見学ツーリング」と銘打って、淡路島のことを勉強しよう・・・という企画になりました。 


より大きな地図で 2013.2.11淡路島ツーリング を表示


 さて旅は、南端の大鳴門橋から始まります。
 ご存知のとおり、淡路島は本州側に明石大橋、四国側に大鳴門橋でつながれた島。かつては、島の至る所からフェリーが出ていて、本州や四国と結ばれていたのですが、今はフェリーが全て廃止。島外に出るには、いずれかの橋を使う必要があります。
 高速に乗れるバイクは、大丈夫なのですが、可哀想なのは原付一種・二種。トランポに積む以外、入ることも出ることもできない状態が、現在続いています。

 それと・・・同じようなことですが、風が強くなると割と早めに橋の「二輪車通行止」の規制が出ます。仮にそうなると、バイクの僕らは、上記の原付と同じくどうしようもなくなるのが実態。ツーリング主催者としては、晴れや雨だけでなく、風の情報にもヤキモキするわけなのです。

 2月11日は、少し雲が多いのですが、薄日がさす天気。風も強いのですが橋が止まるってほどじゃなかったのでした。秋のツーリングが雨で中止だったので、雨男と呼ばれる僕は、「ホッ」としたわけなのです。


 でも今年の冬は、気温の低い日が続いておりまして、この日も最低気温2〜3℃。最高が上がっても10℃行くか行かないか・・・という厳しい寒さ。
 当然、全員防寒着を重ね着した格好でのツーリングになりました。
 
 上の写真は、淡路島と徳島を結ぶ大鳴門橋。冬特有の季節風が強く吹いていて、電光掲示板の風速計では、10m近くの表示。何にも知らないで飛ばしていると、橋桁の巻く風で、1車線分ぐらい飛ばされてしまう・・・そんな感じです。まぁ、5〜60kmで走っている限り、そんなに恐れるほどじゃ無いのですが。


 島のいちばん南端で、高速を降りて、島の西側を北に向かいます。
 ハーレーで参加の地元Fさんによると、今日みたいに冬の季節風が強いと、島の西側の道路は、時々波しぶきを被るそう・・・。(逆に大阪湾側の東側は、嘘みたいに静かな海らしいです。)

 ただ、最短ルートなので、島の西側を突き進みました。写真のとおり、海はあれて、時々潮を被りましたが・・・。

 さて、一時間ほど走ると、島の真ん中あたりの旧一宮町の市街地では、何となく気持ちのいい香りの漂う場所に出会います。そう、淡路島は線香の名産地。全国シェア70%を占めるらしいです。その線香屋さんの一つににお邪魔をしました。

 まずは、工場の見学から。香りを練りこんだ材料を、小さな穴から押し出して、線香にしていきます。写真は乾燥の行程。
 何となくうどんやそばの作り方とよく似てますね。

 工場の一角にある工房では、線香づくりの材料を生かしたお香を作る体験ができます。
 服を汚さいようエプロンをして、乳鉢に入れた材料をかき混ぜていきます。
 お香の色や香りの元は、何種類からか好きなもの選べます。

混ざった材料を棒で押し伸ばしていきます。厚みが一定になるよう、金属ヘラを並行に置いて、それ以上薄くならないようにします。

クッキーづくりの様に、お好みの型で抜き直しをします。型崩れしないよう取り出すのに、僕ら素人は一苦労でした。

壊れないようダンボールに挟んで完成。余った切れ端は、再度練りなおして円錐状にすることもできます。
 このまま持ち帰って、4〜5日乾燥すると出来上がりです。

工場見学とお香作りの体験がセットで¥500。
線香のおみやげ付きです。
事前に予約が必要です。詳しくは薫寿堂さんまで。

線香と淡路島の関係って、知らなかったですが、
今日みたいな乾いた海風が線香を乾かすのに適していたんですって。
もちろん、ここはかつて海上交通の要衝ですもんね。
淡路島は、京阪神への物資の供給基地だったのでしょう。



 お昼は、線香の工房からほど近いレストランで頂きました。

 上は玉ねぎフライの乗ったカレー。下は淡路島牛丼。そうなんです。これらメニューは、いずれも淡路島の名産品を使ったもの。牛肉は、松坂牛や神戸牛の素牛(子ども牛)産地としても知られる淡路のものを使用。玉ねぎは、抜群の糖度で有名な地元産です。

 玉ねぎは、以前淡路島南端の沼島でハモ鍋を食べた時に、その美味しさに気づいてから、淡路島の玉ねぎの大ファンになりました。やみつきになる甘さがあります。ぜひおすすめです。

 お腹もいっぱいになってから、さらに西海岸を北上しました。この頃から何となく雲行きが、怪しくなってきました。

 明石大橋が見える頃、雨がポツポツと・・・。日本海側から入り込んだ雨雲が、淡路島に入り込んだからかもしれません。
 突然の雨に、一行の冷たい視線が雨男の僕に注がれたのは言うまでもありません・・・(T_T)。
 (僕)「でもね大丈夫。大阪湾側に行けば晴れているはずだから・・・。」
 急いで島の向こう側に回りこむことにしました。

 この橋の近くに来る度に思うのですが、よくぞこんな大きい物を作ったものです。今だに吊り橋世界一です。 

島の東側に回りこむと、雨雲も無くなり急に日差しが強くなりました。
(良かった良かった(^^))



島の東側は、本来のメインルート。
交通量は西側と比べられないほど多いです。
GO&STOPにちょっとウンザリします。

 次は、東浦ICから程近い吹き戻しの里。
 吹き戻しとは・・・夜店で売っているピーヒャラって伸びるおもちゃのこと。
 淡路島のこの会社、全国シェアの80%を占めるそうです。

 で・・・こちらでは、吹き戻しの製作体験ができます。
 スタッフのお兄さんが作り方を教えてくれるのでした。
 カラフルな吹き戻し部分と笛の部分を組み合わせて作ります。

 ワイヤーの入った吹き戻しの紙を両手に持って、釘にあてがい紙をシゴクと、紙がクルクルと巻き出します。何回か往復すると、吹き戻し部分の完成。

 ま・・・金髪の彼には、おおよそ似合わない作業ですが(^^)。
 

 クルクルと巻いた吹き戻しに笛を付けます。テープを貼るだけなんですが、みんな真剣です。

 体験では、吹き戻しを6本作ることができます。最後に自分の作ったのを試験して完成。
 みんな童心に戻ってピーヒャラとやりました。



吹き戻しは、肺活量が必要で、ピーヒャラってやるのは、
健康にも良いそうです。吹き戻し製作の体験代¥500。

詳しくは吹き戻しの里まで。
ツーリングの途中、予約無しでフラッと立ち寄っても、
営業時間内なら、大丈夫だそうです。

吹き戻しの里を出て、洲本の町を通る頃には、すでに太陽は西の方角へ。
急がないと、日のあるうちに一周できなくなってしまいます。



 写真は、淡路島南端の南淡路水仙ライン。ちょうど水仙の見頃だったのですが、時間が押していたのでパス。
水仙のニオイがするのに、ちょっと残念なのでした。
 ここは、写真のとおり断崖がするどく海に切れ込んでいるような道路。民家も少なく、もちろん交通量も少ないので、ストレスたまった一行は、爆走状態(^^)。

 旅の最後は、島の南端・福良港のターミナルにある、足湯へ。
 「なんだ足湯かよ・・・」とおっしゃるかもしれませんが、意外と馬鹿にできないのが足湯の効能。
 ツーリングで冷えた足を突っ込んで温めると、その後しばらくホカホカするし、何より足が軽くなる感じがします。
 革パンやオーバーパンツを脱ぐのが面倒ですが、一度やったらクセになります。それ以来、足湯を見つけると入るようになりました。

 ここ福良で本日のツーリングは解散となりました。大阪から参加のAさんと地元淡路島のFさんとはここでお別れ。
一日楽しく遊びました(学びました)。


四国組は、一緒になって帰路につきました。


そして恒例の記念写真


後ろは、明石大橋。
ものの見事に、全員が真っ黒なウエアですね(^^)。
ウインター以外の格好は、みなさんお洒落ですが、
寒い時は仕方ないですね。そう頻繁に着るものじゃないですし。

この時期は、色合いや格好より機能!
お洒落より、寒いとどうしようもありません。

ちなみにもう一人愛媛のNさんがいらっしゃったのですが、
ご家庭の事情のため早退されました。

ツーリングできるのも家族の理解があってこそ・・・なんです。


 単純にツーリングで、あちこち走り回るのもいいですが、その土地土地のことを学び・想いをはせながらのツーリングって、その旅をより思い出深いものとする効果があるのかもしれません。

 さて、二回目の淡路島でご紹介できたのは、島のごく一部。もっと僕らの知らない魅力的な所があるはずですね。三回目の淡路島ツーリングも、いずれ実施しようと考えています。興味のある人は、定期的に屋島工房のツーリングページを見ていて下さいね。

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