直島宮浦港

高松港から船で一時間。瀬戸内海に浮かぶ小さな島”直島”は今、「現代美術」の島としても有名に。国内外から大勢の人が訪れるこの「art」な島の事、知らないわけにはいけません。

 島へ行くのは、できればリッターバイクなんてのは避けた方がいいのかもしれません。
 小回りは利かないし、島の狭い道では、圧迫感も。

 そして普段大きい音に感じない改造マフラーも、島ではやたらと響くように感じるものなのです。

 今回、家から持ち出したのは、ヤマハR1−Z。元気な2stエンジンに、デザイン重視のパイプフレームを組み合わせた、今見ても少し格好良いバイクです。

 たぶん作られてから15年以上経つのですが、最近は始動不良に加えて、いろんな部位がガタガタに・・・。古い2stをきちんとした動態のまま維持するのって、意外に手間とお金がかかるんですねぇ。修理のために、夏前にしばらくバイク屋さんへ預けることにしたのです。
 そして夏も終わる頃、R1-Zはお店から帰ってきたのでした。若干のカスタムも加えてですが・・・。


 近所のバイク好きの兄ちゃんと話していると、今の20代はR1-Zの存在も、2stがどんな加速をするのかも知らないらしい・・・のです(あたり前か)

 白煙を出し、燃費も悪くて、手間ばかりかかる。ちっとも「エコ」なバイクじゃないんですが、やっぱりあの「やんちゃ(乱暴)」な加速は魅力。21世紀の今では、欲しくなっても、状態の良い物はそう簡単に手に入らないですよ。


 さて、直島の話に。その昔、宇高連絡船を利用したことがある人も多いとは思いますが、その宇高航路のすぐ近くに、今回訪問する直島があります。

 直島は、三菱の金属精錬所があり、多くの人が働く企業城下町(島)として有名なのですが、最近ではベネッセ(昔でいうところの「進研ゼミ」の福武書店)が美術館を建てて「art」の島としても売り出しています。


 そのため、観光バスで島に乗り込む団体の観光客や、外国人の観光客も多数。週末にもなると、港は大勢の人であふれることになります。

 雰囲気的には、そう!! 京都のお寺へ行ったときのような感じ。いろんな外国の人がいて、みんなちょっと知的な感じ。このあたりの観光地にはなかった空気が漂っているのです。


 これらお客さんたちの目指す美術館は、島の南の端にある「地中美術館」と「ベネッセハウス」。コンクリート打ちっ放しの建物の中に現代美術の作品を展示しているという趣です。
 ただしここにあるすべての物が「art」。今回は写真でお伝えできないのが残念です。

 現代美術の事、全く理解できていない僕ですが、単に絵を見て過ごすだけじゃなくて、作品にも建物にも楽しい仕掛けがいっぱい。面白いというか不思議な空間です。(これ以上言葉で伝ることは困難。ぜひ行ってみて下さい。)

美術館にほど近い砂浜の上では、なぜかカボチャが・・・。そしてヨガをしている集団。「art?」な雰囲気が漂っています。

 さて、美術館を見た後は、島の東の本村地区へ移動。ここでもいろんな美術・芸術に関わるイベントが開かれていて、それらがすべて古い町並みと調和するようになっています。

案内所は古いマーケット。そして骨組みだけのアーケード。
少し手を入れると格好良く見えるものですねぇ。



 港から少し中に入った住宅が集まる地区では、「家プロジェクト」というのをやっておりまして、古民家などの建物を改造して、中に現代美術の作品をを展示しています。

 現代美術には、意味がわからず「う〜む?」と考えさせられるものや、「あっ!」と驚きの作品も・・・(これ以上の説明は難しい・・・見た者しかわかりません)。


 本村のご家庭には、このようにいろんな模様を染め上げた”のれん”も数々と。「家プロジェクト」の家々を巡る間に、このような”のれん”を見学する小さな楽しみもあるんです。

お昼は、これまた古民家を改修した食堂に。ヘルシーな発芽玄米ご飯と呉汁(大豆で作られたお汁)に煮物という組み合わせ。

 想像するに、最初「家プロジェクト」をはじめた頃は、町のとある一つの点に「art」がある状態に過ぎなかったでしょうが、それが次第に増えていき、次には点と点を結ぶ路地(線)に広がっていって、今では町中が「art」であふれるように。
 一つ一つの点が面に広がっていく、「art」を核とした魅力的な町づくりの良い例なのかもしれません。

 旅の最後に、自ら「art」作品を作るべく、宮浦港すぐ近くの直島スラグ陶芸体験工房へ。
 直島では、隣の豊島に捨てられたゴミの溶融処理(溶かして無害化する処理)をしているのですが、スラグとは溶かした後の副生成物。ガラス質が多いので、焼き物の材料にまぜるといい感じになるらしいのです。

1.全く初めての経験だったろくろ回し
2.焼き上がり前のカップ
3.数日後、家に届けられた焼き上がり後の作品

(陶芸体験は所要約2時間で、1500円。要予約)

 人様にお見せできるほどの出来上がりとは言えないですが(嫁からは小学生レベルと酷評をいただいております)、これも「art」と思えばそうなのかもしれません。楽しい経験となりました。

 直島って、バイクで回ると数十分で1周できる本当に小さな島なんですが、一つ一つの「art」をじっくり愉しむと、とても一日では回れないぐらいなのです。美術・芸術に関心なくても、楽しい時間を過ごすことができる島なんですねぇ。

2シーズンにわたり、冬場は毎日のように使い続けているPG-29。かなりラフな扱いをしているのですが、革は未だ傷み無し。革の繊維はほぐれて、柔らかさは更に増しています。


※今回のページ中の写真は、著作権に配慮して、すべて公道上からの写真、つまり島の様子を紹介する上で必要な「島の風景」として撮影したものに限定しております。それでも問題ありましたら、お知らせ下さい。




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