「初夏の工房」

いよいよ夏のライディングシーズンが始まろうとするこの季節、工房ではメッシュグローブの製作に追われる一方、次のシーズンの企画を進めなければなりません。
次のシーズンと言えば、そう、冬の防寒グローブです。

防寒グローブは、強度と防風を受け持つ外側のシェル(革)、密閉と防水を受け持つフィルム、温められた空気を溜め込み保温の要となるインナーの3層から成ります。
それぞれの品質だけでなく全体での相性が大切。多数の組み合わせの中から最もバランスの良いものを選び出します。これでグローブの性格がほぼ決まるので、あらゆる素材を吟味します。

 インナーの素材が決まったら、シェルの製作に取り掛かります。シェルの構造にも種類と特徴があり、インナーとのバランスを見ながら試作品の寸法を定めて行きます。

試作サンプルはすべてのパーツをハサミで切り出す「手断ち」。複雑な立体裁断なので、正確な寸法と革の特性を見極めるカンが求められます。
手袋ひとすじ何十年ものキャリアを持つ職人が、裁断されたパーツを組み合わせ、立体化させて行きます。
縫いあがったグローブは、専用のアイロンで整形され、フィルム・インナーと組み合わされます。やっと、グローブらしい姿になって来ました。

 それでは、この日に完成した2種類のシェルとその特徴について、簡単に説明しましょう。


 まだまだ開発段階の製品ですので、今回お見せできるのはここまでですが、今期はこれまでにない、軽快なウインターグローブを発表できるよう試作・検討を繰り返しています。どうぞご期待下さい。


工房の年代物のミシン。今も現役で内装を縫っています。






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