2016年3月10日 担当 屋島工房 尾原

真夏のツーリングでも快適に使えるよう、鹿革にパンチングを施した「鹿メッシュ」と「馬鹿(うましか)メッシュ」。今年はブラウンの他にグレーのモデルを追加しました。見た目のさわやかさだけでなく、グレーのような淡い色の染色は、鹿革に新たな変化をもたらしています。



 日本の夏・・・そう、何もしなくても「ジトッ」とまとわりつくような汗をかく時期。これまでは汗対策のため、少し薄手の牛革を用いるのが普通でした。

 鹿革は、そのふんわりとした革の良さを引き出すため、なるべく厚く仕上げるのが一般的で、多汗期のグローブとしては、汗の吸い込みが多く乾きにくくなり、革の傷みが早くなる欠点がありました(手の汗により、グローブの平側が硬くなる現象がそうです)。

 それゆえ鹿革で夏用のグローブをあえて作らなかったのですが、お客様が一度鹿革の良さを味わってしまうと、「他の材質のグローブに戻れなくなる・・・」という声も多数いただきました。

 数年前からそんな需要が高まり、試行錯誤をしていく中で、数年前から茶色の「鹿メッシュ」、昨年からは鹿革のベースに馬革のアテ革を用いた「馬鹿メッシュ」を販売しています。今年は、さらに両モデルにグレーのバリエーションを追加しました。どんな色のジャケットなどにも合わせやすい、淡いグレーを選択しています。

 グレーの鹿革を作る上で、副次的な効果があることに気づきました。それは、黒や茶よりもさらにふんわりと柔らかく仕上がること。手袋で使う革は、.主に顔料を用いず染料だけで色付けします。染料の種類で革の仕上がり具合が異なり、色が濃くなるほど、革が硬くなることがわかっっています。グレーは、黒とは正反対に、驚くほどの柔らかさで仕上がっています。

 グレーの鹿革のグローブに手を入れると、その特別な感じがわかってもらえることでしょう。ツーリンググローブの理想に素手感覚があげられるなら、グレーの鹿革で作るグローブは、ある意味その分野での完成形なのかもしれません。
 
鹿メッシュも馬鹿メッシュも、基本的なパターンは同一ですが、細かなところに違いがあります。ベルトの形状がその一つ。革の端は、黒いパイピングで巻いています。  

風を入れる部分には、パンチングの革。強度の必要な部分には、通常の革を用いています。馬鹿メッシュには、さらに強靭な馬革を採用。擦過等による糸切れを防ぐために親指にも馬革のアテ革を用いています。


 着けていることを忘れる素手感覚を、最大限味わいたいなら「鹿メッシュ」。素手感覚だけじゃなく、ところどころ強靭な革で守られていたい・・・そんな方には「馬鹿メッシュ」。お好みの方をお選びください。

左:鹿メッシュ サイズS〜LL 価格¥13000(税別) 製品ページへ
右:馬鹿メッシュ サイズS〜LL 価格¥14500(税別) 製品ページへ
 

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