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レインスーツの仕事は、疑いようもなく防水です。
製品開発するにあたって、当然のことながら完全防水を目指すのですが、これがどうして思うようには行きません。結論から申し上げてしまえば、完全防水など出来ません。一滴でも漏れてしまえば“完全”とは言えませんから。
  1. ヘルメットから首筋を通してネックのすき間から入る水。
  2. 袖口から染み込む水。
  3. それらが毛細管現象で内側に染み込んでゆく。
  4. シームテープからもいずれは漏れる。

そして、一般アウトドアレインスーツより条件が過酷で、バイクでの走行は、雨は上からだけでなく、前から、横から、そして濡れた路面の下からと、どの方向からも容赦なく襲いかかるのです。

もうひとつ頭をなやませるのが“撥水”
弊社では撥水加工も重要視しているのですが、最近になって“撥水”には強力な天敵がいることが分かりました。
 1. 火山灰:2004年の浅間山噴火で影響を受けた。
 2. 花粉:2005年のような量の多い年は、影響大。
 3. 海水の塩分:台風時の塩分を微量に含んだ雨。

特に花粉のようなパウダーを浴びると、撥水性能はいちじるしく衰えます。(この場合、丹念にレインスーツを手洗いするしかないでしょう)

ということで、完全防水や半永久撥水など、現在の技術では不可能と考えているわけですが、それなら、できるだけ快適なレインスーツならどうかと、作り始めたわけです。バイク便の知人に協力してもらって。
ちょっと、レインスーツの真実をお話ししましょう。


バイク便のM氏
バイク便の会社に勤務し、走り続けて18年。近年は以前ほどハードではないと言うが、それでも年間5万キロ以上。その内、雨天走行は5,000キロを越えるそうだ。弊社スタッフもテスト走行を行なうが、とてもとてもM氏の距離には適わない。最適といえるテストライダーである。


RE-02 レインスーツ(2003年発売)
M氏は02タイプを雨天5,000キロ以上試している。このタイプの特徴は役立ち機能を付けていること。
1.なにかと役に立つフードを装備。
2.夏場に快適なベンチレーション付き。
3.蒸れ防止にメッシュを部分装着。
しかし、これらの機能が一部原因となってわずかに漏水することになる。テスト用として仕様の異なる02タイプを計3着試し、そのうちの1着がRE-03と移行してゆく。

RE-03 レインスーツ(2005年4月発売)
RE-02のテストを繰り返し、役立ち機能を取り去って防水重視とした作りがRE-03。素材も02のナイロンからポリエステルと変更した最新モデルが、はたしてその改良ともに最適かどうかはM氏にもまだ答えはだせない。
「夏はRE-02、キャンプや一般アウトドアにも使えるし。夏以外はRE-03でしょうねえ。」
とはいっても、通常2着のレインスーツを用意することはないので頭が痛い。両方の性能を同時に持つレインスーツを作れれば良いのだが、そう簡単にはできません。

[ M氏の経験を聞く ]
18年間、100万キロ以上走り、雨天走行は10万キロを越えているベテランM氏。仕事仲間も含めて、完全防水のレインスーツにめぐり合ったことがあるのかを聞いてみると、「“完全”なんて、使ったことも、聞いたこともありません!」という。仕事がら、すでに数10着のレインスーツを使い果たしてきたが、時にはレインスーツの重ね着もするそうだ。
それだけに、M氏は弊社のレインスーツに対する期待感は大きく、また、氏もおおいに協力してくれる。非常にありがたいことです。
以上、弊社のレインスーツは「スゴイ性能なんですよ」、というより、逆に“完全防水”ではないことを暴露してしまったようですが、長期テストの結果ですし、これがレインスーツの現実なのですからしかたありません。
しかし、ベテランライダーの方にはお分かりかと思いますが、10年以上前のものから比べると、近年のレインスーツは確実に進歩しています。

2005年の4月末、2種のレインスーツを用意しました。防水能力だけは最新のRE-03に軍配が上がりますが、正直なところ、総合的に見てどちらが優れているかは判断しかねます。しばらく併売することにしますが、これからもたくさんバイクに乗って、より良い製品作りを目指してゆきたいと思います。

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