文:三橋弘行 写真:坂上修造 取材日:2017年10月17・18日
[ モーターサイクリスト誌連載 2018年 1月号]




長野市の東に位置する高山村温泉郷には8つの温泉地が点在する。その渓谷の奥に現在2つの宿からなる「七味温泉」があり、その一つが紅葉舘である。
宿までは美しい景観の道のりだ。と、その前に、栗で有名な「小布施(おぶせ)」に立ち寄る事をお薦めする。まずは美味いもんで腹ごしらえして、、、。

小布施 桜井甘精堂にて



松川渓谷沿いの広葉樹に囲まれた紅葉舘。





紅葉舘の露天風呂は男女別交替制で2つある。その一つはトンネルを通って湯船に出る。そしてその湯の美しい色に感動させられる。といったユニークな手法だ。
そしてもう一方の露天風呂には、グリー系の湯と共に小さな湯船も設置されている。どちらも同じ泉質名だが、どういうわけか黒い湯。
なお、このサイトでは「ミルキーエメラルドグリーン」を強調したが、季節や天候、そしてその日の外気温の違いで湯の色は変化する。せっかく写真でご案内したが、参考までに、ということでご了承を。
まあどんな色の湯に浸かろうが、『美肌効果の湯』である。女性は大喜びでしょうなあ。。。

[ 紅葉舘の湯]
含硫黄−カルシウム・ナトリウム−硫酸塩温泉
源泉本数: 2(組合共同源泉)動力揚湯
総湧出量:約100 ?/分 源泉温度:71.4℃/30〜35℃
ペーハー:6.4 中性 溶存物質:1090mg/kg
源泉掛け流し 加水(減温の為、沢の水を使用)・加温なし
浴室:内湯2 露天2(各男女別交替制)
取材日:2017年10月17・18日




山奥の宿の食事は、似たり寄ったりだ。しかし紅葉舘は少し違っていた。
まず目についたのはリンゴのグラタン、、、長野県ならではの味覚にひと工夫。旬の時季だけでなく、リンゴを冷凍保存して通年出すという。その他、地元の食材も楽しめる。なかなかいいセンスだなあ、と食べていた。





「主人は真面目一筋の働き者」、と言うのは女将さん。ご本人の取材では、なるほど、余計なことは話さず口数も少ない。しかし言葉は的確だ。
温泉宿の主人は話し好きが多い。感情を顔で身体で表現し、余談も多い。そしていつまでも会話が終わらないことも。・・・ここの主人は違う。





宿の主人とは対照的なのが女将さん。とにかく気さくでよくしゃべる。お客との会話だけではない。宿の庭で遊ぶ野生のタヌキともしゃべっているようだ。
※玄関には「タヌキが入るのでドアは必ず締めて」の張り紙あり。

ところでこの宿への連絡は、電話とFAXのみとアナログ。取材日の前はFAXが壊れていたが、今は大丈夫だろうか。余計な事を心配してしまう。
たった6室の小さな宿、なんだかんだで魅力的な温泉宿である。

料金はひとり1万2030円〜 (2名1室諸税込)。1名宿泊可。全6室。日帰り入浴:500円 10:00〜16:00(特定期は15:00まで)

紅葉舘 公式HP >>


次回、「にごり湯編」の10湯目は・・・

 長野県. 
高峰温泉




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