2014年8月3日


 「硬い桃がくいてえんだよっ」、「じゃあ、桃畑にくりゃあ、腹いっぱい食わせるにぃ」 からこの旅は始まった。
 長野県下伊那郡豊丘村、ここには専業農家の親せきがおり、もの心がついた頃から何十回も夏に訪れているが、どういうわけか桃畑には行ったことがない。おそらく私みたいなガキを連れてったら、ガツガツ食われてしまうと考えたにちがいない。

7月下旬に我が家に送ってもらった桃。

 豊丘村の親せきは、毎年のように私の好きな硬めの桃を送ってくれる。 上記写真のように、上部が緑がかったのが硬い桃なのだが、今年は暑くて例年より熟成が早く、そんな色をしても残念ながら柔らかめなのだ。
 硬い桃を食わずして夏は越せない私、ならばと長野県の南信、豊丘村へと向かった。




OBを旅の道連れに。


渋滞の中央高速道:バスの間は狭い!

 私はひとり旅というのが嫌いだ。いつもならカミさんを連れてゆくところだが、昨年秋の立ち転け複雑骨折が完治せずで不可。代わりに同行したのが「古山(ふるやま)」である。彼はかなりの食いしん坊なので、「信州の極上の旨〜いもんを食わせるぞ」と誘えばイチコロなのだ。
 2004年に弊社を退社した(退社させたのかもしれない)ペアスロープOB、当時は店のスタッフだった古山なので、皆さまの中には覚えがある方もおられよう。(※当サイト夫婦坂二輪旅の、2002年「乗鞍最後の夏」、2004年「伊豆寒中ツーリング:ロケ編」、2012年「桜廻り、味巡り」にも登場している)
 それにしても退社したくせに、私を結婚式に呼ぶはツーリングに来るは、の妙なやつだ。

 中央高速の談合坂SAで待ち合わせていたら、買ったばかりのピッカピカのホンダVFR800F(V型4気筒・105馬力)ですでに着いていた。サイドバッグで車体にキズがついてないか点検をしている。そんなもん1回転ければ気にもしないだろうが、新車だとそんなものだろう。
 対して私はスズキGSF1200。1994年式の油例並列4気筒・97馬力(エンジンはノーマルだが、なぜか後輪出力はずっと上)。古山のVFRとはちょうど20年の差がある(新しければいいってもんじゃない)。
 しかしまあなんと言いましょうか、古山のカッコウがよろしくない。ヘルメットは良し、弊社ハーフメッシュウエアもメッシュグローブも良し。だけど上半身に対して下半身のデニムとブーツがアンバランスなのだ。
 ハラが出てるのは仕方がない。でもそうなるとウエストに合わせてジーンズを選ぶのだが、ヒップや太もも廻りがブサイクになる。そうじゃないジーンズもあるのだが。そしてブーツ。足もとをおろそかにしてはいかんのだ。古山が弊社にいた当時から、カタログにもサイトにも語っていたことなんだけどなあ。。。

 じゃあ、あんたはどうなのよっ! という疑問にお答えして、わたしのドラマチックなカッコウをご覧にいれよう。



 これは決して宣伝ではない。なぜならば人気がありすぎてサマーアイテムはすでに完売している製品が多いからだ。ま、弊社の日本製品、少ない数量しか作れないというのが、売れ切れのほんとの理由だけど。


[ここだけの話、その1] ・・・21オンスデニム
2009年から製作が始まった21オンスデニム。そのがっしり感はまさしく男のジーンズで、人気が衰えることはない。
が、しかし、、、2014年6月、それを織る岡山県の特別な織り機が壊れてしまったのである。修理して復活できる可能性は限りなく少ない。まことに残念ながら、2014年8月現在も生産は止まったままで、
生産終了となっている。
よって、
21オンスデニムジーンズは在庫あるのみです。
もう作れないのだろう、と分かっている筆者なんぞは、すでにノーマル・ワイドの両方を確保しとります。ご希望の方はどうぞお早めに大人買いを。
・・・しばらくは公式製品ページにご案内しませんが、このサイトをご覧いただいている旅好きの方々のためにフライングしました。

※在庫表は こちらから >> 減る一方であるのがお分かりいただけるかと。
※万が一、製作再開しても、現在の価格よりだいぶ高額となるでしょう。なのでたぶん作らんです。



 談合坂SAを出発する直前、古山が言う。「おの〜、まだバリバリの慣らし運転なんで6000回転が限度ですぅ」、「6000回転てトップギアで何キロ?」、「140キロですぅ、それ以上はカンベンしてほしいっすっぅ」。
 こう見えても私は良識ある大人である。中央高速のほとんどが80キロ制限なので、それを超えないように安全運転を心がけて、いたいな〜なんて思ってはいるのである。

 談合坂SAまではクソ暑い晴天だったが、甲府盆地、諏訪湖、と進めば曇り空。晴天で暑いのと、曇りで涼しいのとどちらが良いかはビミョーでしょうな。

よそ見運転するな! といっても俺は・・・・・。


ピカピカのVFRと、みやげの干物を積んだ20歳のGSF。ヘルメットとバイクボディーカラーを合わせるのは私の基本。ちなみに奥のバイクは無関係。だが、ほ〜ら、あっちも合わせているでしょ。

 中央高速で30分ほどバイク交換してみた。「6000回転までですからねっ!」、「わかっとるわい」と。
 VFRで走り出した瞬間に思ったこと、「なんちゅうおとなしいバイクなんだ、排気音も聞こえねえじゃないか」。
 トルク感がGSFに比べてかなり劣るのは400ccもの排気量の差であろう。そしてパワー感がないのは、慣らし運転の6000回転限度のせいだ。VFRはVテックエンジンである。低中回転域では2バルブ、高回転域で4バルブとなり、もりもりとパワーが出る仕組み。なので6000回転までは極めてジェントルなのだ。
 対して我がGSFはといえば、低回転から高回転まで、まんべんなくジャジャ馬。トップギア6000回転少々で200キロ、それでもまだまだ余裕のヨッちゃんなのだ。(初期型国内仕様・メーター、マフラーは変更)
 ま、高速道路はけっこうヒマなので、こうしたバイク交換はひとつの楽しみでもある。






落ち武者の血統。

後ろに、もう1台ついてきてる。抜かれるな古山号!


中央高速、松川インターで降りる。



古山号加速!。


左右に果樹園。観光客向けだろう。


 長野県下伊那郡豊丘村、村といってもけっして過疎ではない。農作物が盛んで「市田柿」は有名ブランド品。また、赤松林も多く、自称「日本一」と言う高品質なマツタケも採れる。
 村の面積は、東京23区ではいちばん大きい私の住む大田区より2割強ほど広いが、人口は約100分の1とゆったりしている。というか、東京が密集しすぎだろう。

 中央高速を降りてからガソリンを入れる。ここまでの我がGSFの燃費はリッター19km。VFRは0.5kmほど燃費は良いが、どちらもリッター20kmには届かない。今どき、リッター20kmや30km走るクルマはゴロゴロあるのに、バイクは省エネとはほど遠い。もっとも、燃費最優先で大型のバイク選びをする人は、あまり聞かないが。


天竜川沿いを走る。親せきの家は、もうすぐ。


ガンつけてんじゃねえぞ!



GSFとVFR、参上。
 親せきの家に到着。庭に見慣れぬ2台の大型バイクがいきなり入ってきたものだから、子犬がびっくりしたようで吠えるが、軟弱にも後ずさり。まだ番犬にはならん。
 ここ武田家は私の親父の実家である。以前から思っていたこと、あの武田信玄とは関係あるのか、をこの家の主のいとこに聞けば、「もともとは、もっと山奥に本家があってなあ、武田軍の兵の『落ち武者』らしいに。で、ご先祖様が、たぶん勝手に『武田』と名のったんじゃないかなあ」ということだ。
 武田軍は徳川家康と戦っていた。この地域はその通り道でもあるという。ここからひとつ山向こうの国道152号線を南に行くと、その国道が途切れている迂回路の長野県と静岡県の県境に「兵越峠(ひょうごしとうげ)」がある。その峠を武田軍の兵が越えたことから、昔名づけられたという。なので「武田軍の落ち武者」説は、まんざらでもなさそうだ。
 あれっ? ということは私もその落ち武者の血筋なのか? 私の祖父からは「ウチは鎌倉の出でな、源頼朝の家臣が先祖だ」と聞いてたが、武田信玄と源頼朝(の共に家来)の血筋が混ざってしまったのが私ということなのか・・・。


 どうでもよいこと話してしまった。そんなことより早く桃畑に行って、旨そうなのを食わなきゃいかん。伊豆下田の万宝(まんぽう)から取り寄せたみやげの干物を家に運んで、バイクと軽トラは近くの桃畑へと驀進する。


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