2011年8月14日

 昨晩、坂上カメラマンから電話が掛かってきた。「どお、トンボ撮れたぁ? えっ? うまく撮れないってぇ? だめだなぁ〜」

プロカメラマン:坂上修造

 じょうだんじゃない。あんたが適当なこと教えるから、、、言い訳はやめとこう。「トンボ撮りはねえ、難しいんだよ。ま、プロカメラマンでも無理あっかな・・・そうそう、信州の佐久にギンヤンマは見なかったけど、昨日行った近所の洗足池にはいたなあ、それとオニヤンマみたいなのも。まあねっ、それなりには撮ったけどね、、、」


 我こそが、と言わんばかりに「明日どうよ、ヒマ? しょうがないなあ、トンボ撮り、助けてあげようかぁ」と坂上カメラマン。結局、トンボ撮りを始めて5日目である8月14日、いっしょに洗足池に行って撮影勝負をすることになる。

 坂上カメラマンはバイク走行写真にも定評があり、弊社カタログ等でもたびたび掲載している。とはいえバイクとトンボでは被写体の大きさがまるで違う。プロといえども、そう簡単には撮れないだろう・・・と思っていた弊社での待ち合わせ時間に氏から電話。「今、小池にいるんだけどさあ、オニヤンマもギンヤンマも飛んでるよぉ〜」・・・練習してやんの。
 しかし小池にオニとギンがぁ? それは知らなかった。まさしく「灯台もと暗し」である。




1回戦・・・洗足池












洗足池マップの上部右側の「水生植物園」のあたりが、いちばんトンボが多い。また、池の上に橋が掛かっているので撮りやすいのである。



 昨日にひきつづいてやってきた洗足池。こんどはオヤジ二人、おおげさなカメラを担いで。
 目的の場所に着いてまもなく、オニヤンマみたいなのがこちらに飛んできた。坂上カメラマンの高速連写の音が聞こえる。

カメラを持つ右腕の筋肉がお分かりか。けっこう重いんだ、カメラとレンズが。筆者は3日目で筋肉痛になったけど、気合いで撮り続けているのだ。


[坂上カメラマンのトンボ撮り]

さすがプロ。いきなりピンが合う。でもオニじゃなくオオヤマトンボだけどね。

「いいボケぐあいでしょう」と言うが、たんなるピンボケ写真じゃないの。
水平飛行中。 旋回直前。


[坂上カメラマンの成果]
写真データ:プロカメラマンの企業秘密



[筆者のトンボ撮り]

おっ、ウチワトンボだ。

ピントなら負けちゃいない。
コイとトンボ。 急旋回のシオカラトンボとオオヤマトンボ。

五日目にしてトンボ撮りに余裕が出てきた筆者は、ピント合わせ1本勝負ではなく、ストーリーのありそうなアングルを狙うようになる。



[筆者の成果]
シャッター速度:1600、絞り:8.0、ISO:1600


 二人のカメラの違いはあるものの、望遠ズーム70〜200mmレンズは同じ。しかしその撮り方は異なる。
 坂上カメラマンのピント合わせは“置きピン”といって、ピントの合う距離を一定にし、トンボがそこを通過したらパチリ。対して私は、指で瞬時にダイヤルを回しピントを追う方法。カメラまかせのオートフォーカス(自動ピント合わせ)は、トンボでは無理なので、どちらかの手動方法しかないのだ。まあどちらも一長一短はあるが、まあ反射神経の勝負ってとこかな。

 坂上カメラマンいわく「むずかしいねえ、飛んでるトンボ撮り。50回シャッター押して、ズバピンは一枚程度だもんなあ」。「だろ〜、だから言ったじゃないの、簡単じゃないってね」。
 やがて洗足池のトンボたちはどこかに飛び去ってしまった。ならば移動、弊社すぐ近所の“小池”へ。





2回戦・・・小池


 弊社の、さらに我が家近くの“小池”、ここにいろいろなトンボがいるのなら、初日から連日ねばっていればよかったわけだ。
 プロであってもいきなりのトンボ撮りは難しいとわかっていたわけで、坂上カメラマンは午前中にここで練習をしていた。だからどの辺りにどんなトンボが飛んでいるか承知のようで、すぐにカメラを構えている。その横の水面に、カモが優雅に泳いでいる。そして正面10m先には“カワセミ”が小魚を狙っている。
 「なぜ珍しいワタシを撮らないのだ?」と首をかしげているカワセミ君、だが我らオヤジは目もくれずトンボ撮りに熱中。
 「おっ、オニヤンマ?とギンヤンマだぁ!」

ついでにカワセミも撮るが、トンボよりずっとはるかに希少な存在であろう。この東京では。


[坂上カメラマンのトンボ撮り]

やはりオオヤマトンボである。
トンボを食ってる水鳥。


[坂上カメラマンの成果]
写真データ:プロカメラマンの企業秘密



[筆者のトンボ撮り]

ギンヤンマの水面低空飛行。
ホバーリング中を斜め後ろから。。


[筆者の成果]
ギンヤンマと並んで飛行するシオカラトンボ(オオシオカラトンボorシオヤトンボorコフキトンボ?)、の影まで欲張ったら、ギンヤンマの羽がアングルから切れてしまった。せっかくズバピンだったのに・・・。
シャッター速度:1600、絞り:8.0、ISO:1600



 洗足池、小池、と猛暑のなかを撮りまくり、弊社に戻って二人でパソコンに入れた写真画像を見る。
 「う〜ん・・・?」、「どうかなぁ〜〜〜?」。どちらも納得ゆかない。なんていうのか、ドラマチックではないのだ。それに主役の1人(1匹)である“オニヤンマ”が写っていない。
 納得ゆくまでトンボ撮りは続けたかった。しかしほかに仕事がたまっているし、これで終了しよう、と解散する。

 ・・・が、私はその1時間後にもういちど小池、翌日は洗足池で再挑戦。そして坂上カメラマンは仕事でもないのに翌日、翌々日と、地元川崎市の緑地公園でオニヤンマを追いかけている、、、どちらもしつこいタチですなあ。。。




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