2011年8月13日

 信州佐久で撮ったトンボは、はたしてオニヤンマなのだろうか。東京に戻ってすぐ、ネットのトンボ図鑑で調べた。

A:龍岡城のお堀のトンボ。 B:新海三社神社のトンボ。

 少々疑問に思っていた「A」は、黒と黄色の尾の模様が不均等で、腹まわりの黒がミドリっぽい。これはエゾトンボ科の「オオヤマトンボ」と判明。この姿はたいていの人がオニヤンマと見間違える。
 そしてオオヤマトンボよりやや大きい「B」。これこそオニヤンマ科オニヤンマ属の「オニヤンマ」である。

 さて、とりあえずオニヤンマを撮ったものの、ギンヤンマはまだ見ず。なので信州から帰った翌日、練習がてらダメモトで近所の“洗足池”に行ってみる。



ガキの頃からの遊び場。

案外広い緑豊かな池。撮っているすぐ背後は、上下で4車線の中原街道である。(東京都大田区南千束2丁目)

貸し(白鳥)ボートあり。

カメとコイは大量にいる。
池の淵の竹林にある妙福寺。この隣りに息子の保育園があり、毎日送り迎えしたものだ。 妙福寺の前には勝海舟の別邸があった。現在は我が子たちがかよった中学校。

 弊社ペアスロープからバイクで3分程度の洗足池。ガキの頃はこの池で魚獲りをしたものだ。まあ当時も魚獲りは禁止されていたから、池の管理人に追い掛け回されていたのは言うまでもない。
 現在も“釣り禁止”の看板が数多く見られる。当然のことで、釣りなどしようものなら大きなコイが掛かるだろう。とにかく人を見ると膨大な数のコイが寄ってくるのである。そしてなぜかカメまでも。

 洗足池はあまりにも近いので大型バイクでは行かず、我が愛車たちの中でいちばん小さな“スーパーカブ”を使用。1966年式のOHC初期型、いまだキック一発の現役である。そのリアのスチールボックスに、スッポリとカメラケースが収まるので都合がよい。そしてどこにでも停められる。公園の管理人も、きっと役所の人だろうと思い、怒られない(ような気がする)。


我が愛車、1966年式スーパーカブ。こんな古いのに乗ってる役所の人なんていないだろうな。





飛んでいるじゃないのぉ。


 この池には毎年訪れる。特に桜の咲く頃ばかりなのだが、あらためて眺めると、できるだけ自然のままに戻そうとしている努力がみられる。トンボたちの繁殖にもおおいに役立っているのである。

けっこうすばしっこいシオカラトンボ。 シオカラのメス、別名ムギワラトンボ。

 シオカラトンボで遊んでいると、池の水面上を飛んでくる大柄なトンボが視界に入る。色はタイガースカラー、もしやオニヤンマでは?と必死にシャッターを切る。



[本日の成果-1]
シャッター速度:1600、絞り:7.1、ISO:1250


 4日目のトンボ撮り、少しはウデを上げてきたのでピントが合う。合うものだからカメラのモニターを拡大したらすぐに分かってしまう・・・ヤツはオニじゃあない、オオヤマトンボだ。




銀が舞う。

 少々落胆しながら空を見ると、スーっと頭上を通過するやや大型のトンボ・・・もしかしてギンヤンマ?。
 やがて水面上を、傾いた陽射しが羽を輝かせて低空飛行。まちがいない、ギンヤンマだ。

 ヤンマ科、ギンヤンマ属「ギンヤンマ」・・・その胴体はカワサキのライムグリーン主体で、その後方はスカイブルー、そして長い尾はコーヒーブラウン。それはそれは美しい姿なのである。ここに、この洗足池でお目にかかるとは思わなかった。カメラのアングルで覗くより、肉眼でじっと見ていたい気分になる。それほどギンヤンマは魅力的なのだ。




[本日の成果-2]
シャッター速度:1600、絞り:7.1、ISO:1250


 しかしギンヤンマを撮っていた時間は午後4時を回り、陽射しがどうにもかんばしくない。シャキッとした写真が撮れないのである。まあ陽射しがどうあれシャキーンなのを撮れるかどうかは問題だが。
 よぉ〜し、明日の午前中にまた来よう。4日間連続で重いカメラを構えていたら、腕が筋肉痛になってしまったが、もうこうなったら意地でも撮りたい・・・こうして、たくさんある仕事をほっぽらかしてトンボ撮りに人生を掛けるのである。

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