2011年8月10日

 ガキの頃の遊びといったら、魚獲りに虫捕り。生まれも育ちも東京都大田区なのだが、近所にはそんな遊び場がいたるところにあった。夏休みとなれば朝から日が暮れる直前まで昼飯も食わずに夢中で・・・熱中症などという言葉もなかったが、皆そんなもんで倒れるほど軟弱なガキではなかった。


 虫捕りのなかでも、セミなんぞは幼いガキの初級遊びで、やがてトンボへと進級してゆく。しかしまだ赤トンボやシオカラトンボ。そして上級ともなればオニヤンマやギンヤンマの捕獲を目指す。どちらかでも捕まえようものなら“ヒーロー”なのである。
 で、私のような最上級(のガキ)は両方とも捕まえていた。ブラックとイエローの阪神タイガースカラーの大きなオニヤンマ、ライムグリーンとスカイブルーの美しいギンヤンマ、四十数年前にそれらを捕まえた時の感動は、今でもうっすらと覚えている。それだけヤツらはインパクトの強いトンボたちなのだ。

 あの頃からだいぶ時が経ち、今度はカメラでヤツらを捕らえようと考えた。しかしアミで捕ったことはあるが、写真を撮ったことはない。
 とまっているトンボを撮ることは簡単だ。望遠の効くカメラなら誰でも撮れる。しかし飛んでいる姿は? それもスピードの速いオニヤンマやギンヤンマは?・・・まったく自信がないので弊社御用達の坂上カメラマンに電話して撮り方を聞く。氏は数々のレースシーンを撮っているので、速い被写体の撮影は得意だろうと。

「飛んでるトンボの撮り方? なんでまた?」
「説明すると長くなるからぁ、ま、とにかく教えてちょうだいよ」
「ISO感度を上げてぇ、シャッター速度速くしてぇ、スポット測光にしてオートフォーカスで撮ったらいいんでないの。あっストロボも使ってみたらどぅ! でも飛んでるトンボなんか撮ったことないけどねっ・・・」(専門用語の解説は長くなるのでパス)

 少々疑問はあるものの、プロカメラマンの教えをありがたく頂戴して練習撮影。向かうは弊社ペアスロープからバイクで1分の“小池”。できる限り自然な池を再現しているそこには、トンボがたくさんいるのだ。


自宅からはバイクで30秒(歩いても1分)という近所の“小池”、見るからにトンボがいそうな池である。

使用カメラ:キヤノン EOS 7D。レンズは70〜200mmズームを主力に15〜85mmズームを併用。なおEOS 7Dの場合、それぞれ1.6倍の数値となり、望遠側に有利。

とまっているシオカラトンボは簡単だ・・・。

飛んでるトンボはレンズの真ん中に入れることすら容易ではない。もちろんピントも。

カモが「何やってんだ?」と近づいてくる。
 私の愛用カメラはキヤノンEOS 5D Mark2と7D。ふだん多く使っているのは5D Mark2のほうだが、坂上カメラマンの教えでトンボ撮りは7Dを選ぶ。

 さて小池。やはりトンボはうようよといる。まずは飛んでいるシオカラトンボをファインダーで覗く、、、覗く、、、が、レンズに入ってこない! 肉眼ではよく見えるが、すばやいトンボは望遠レンズで追えないのである。もう初めからガックリ。
 ならば、まったりと飛んでいる赤トンボに変更。これならレンズに入る。オートフォーカス(自動ピント合わせ)でシャッターを半押し、、、半押し、、、こんどはピントが合わない。いくらやってもカメラはトンボにピントを合わせてくれないのだ。当然シャッターを押しても切れない。・・・・・坂上のオッサンめ〜、いいかげんなこと教えやがったな。これじゃまったく撮れねえじゃないかぁ。

 ま、人やカメラの機能に頼っていても仕方がない。ここは我流でとオートフォーカス機能を解除して手動ピント合わせに変更。そして高速連写に切り換え(坂上カメラマンの教えは一枚撮影)再挑戦。
 やみくもに100枚近く練習撮りしただろうか。といっても連写は10数秒シャッターを押せばそんな枚数になる。フィルムカメラではぜったいしないことで、デジカメのありがたさが分かるというものだ。


 持って生まれた運動神経の良さなのだろうか、そうこうしているうちにだんだんとピントが合うようになってきた。さてそろそろ本気で撮ろうか。そんな時に3m先でホバーリング状態の赤トンボを目視。すかさずレンズを向ける。


 う〜ん、少々ピンがあまいけど、まあまあのデキかな。この調子で撮り続けていると・・・・・


[本日の成果]
シャッター速度:1600、絞り:8、ISO:640

 よし「ずばピン!」。これはよいですなあ、羽の模様までしっかり写しているのだ。

 しかし・・・・・・前にしか進まない「いさぎよい勝ち虫」といわれているトンボを、後ろから写すというのはいかなるものか。その大きな目も写ってやしない。やはり飛んでいる姿を前から横から、というのでなければトンボ撮りの勝利とは言えない。
 しかも・・・・・・オニヤンマやギンヤンマは赤トンボのようにまったりと飛んではいないだろう。さてヤツらをどうやって撮ったらよいものか。

 どうのこうの考えるのはやめよう。とにかくヤツらに会いに、明日、(あさま工房がある)信州の佐久に向かおう。バイクで行くから待っていなさい、オニとギンよ。

<< ツーリングメニューへ 第二日目へ >>